富士五湖ウルトラ・マラソン 2018


富士五湖をめぐるウルトラ・マラソン大会があるということで、やっ てきました。
この大会の5つの湖を回るコースは118km、4つの湖を回るコース が100kmです。
もちろん、今やとてもそんなコースには出られません。
そこで5つの湖の内3つだけを回る71.1kmコースへの参加です。制 限時間は11時間。
これなら衰えてきた体力でも何とかなるのではないだろうか、とい う思いでの参加です。

よく晴れて、大会会場の富士北麓公園からは雲ひとつかからない 富士山がきれいに見えています。
今年は例年より暑く、最高気温は25度近くになるのではないかと いうことでした。
給水をこまめにおこなってくださいと繰り返し注意の放送が流れて います。

7時にスタート。
まずは5kmで標高差150mを駆け下ります。ぐるっと回ってふたた び5kmで150mを駆け上がってきます。
まだ元気はあるのですが、こんなところで消耗してしまっては後が 続かないので、速くなりすぎないように自重して走ります。

7つの関門があるのですが、最初の2つの関門がかなり厳しいの です。
第1関門は10kmを1時間20分。ということは、自重しすぎて1km8分 かかってしまっては駄目ということです。
ということで1km7分ペースを目標に走ります。これでぎりぎりでそ こは通過できるはずです。
で、1時間10分で通過。よしよし、ほぼ計算通りだぞ。

さてここからが本番。河口湖の方へひたすら標高差200mあまりを 駆け下ります。
帰りはここを上らなくてはならないんだよなあ・・・。
ときどき青ゼッケンや白ゼッケンの人がかなりのスピードで追い 抜いていきます。
71kmコースは緑ゼッケンなのですが、それらの118km、100kmコー スの人は3時間前にスタートしていて、すでに40kmぐらいを走って いるはずなのです。すごいなあ。

河口湖畔のにぎやかな観光地帯へ降りてきました。
街中なので車の往来も激しく、信号もかなりあります。
赤信号で引っかかって、これですこし休めるぞと思うか、タイムロ スするなあと焦るか・・・。
さっき抜かれたおばさんに追いついたぞ。あれ、二人組のお兄さ んに追いつかれてしまったぞ。

長い河口湖大橋を渡り、北岸へ。そこからは湖に沿って西へ走り ます。
湖越しの富士山が今日は実に見事です。
それを背景に遅い八重桜(?)が散っていたりして、写真を撮って いる人も沢山いました。
風はおだやかですが、なにしろ雲ひとつない青空です。
富士山はきれいなのですが、日射しもまぶしいほどにさしていま す。

人気のウルトラ・マラソン大会だけ、エイドは充実しています。
給水はほぼ5kmごとで、水、スポーツドリンクの他にコーラも10km ごとぐらいにありました。
給食はバナナやオレンジ、カステラ、菓子パン、ミニトマトなどをい ろいろと用意してくれていました。
もちろん梅干しやレーズン、塩タブレットもほとんどのエイドにあり ました。

さて第2関門は27.5kmで、制限時間は3時間45分です。ここも油断 して1km8分ペースではとても間に合いません。
なんとかここを制限の20分前に通過しました。
関門はここまでがかなり厳しいのですが、ここがクリアできれば、 あとはかなり余裕が見込めるはずです。
あとはのんびり行こうかい。

河口湖を過ぎ、西湖、精進湖とめぐります。
各湖の間には、当然ですがそれを隔てる峠があるわけです。
上り坂ではみんな(緑ゼッケンの人は)歩いています。
隣を歩いていた二人ずれの会話、ああ、あそこが峠の頂上だ、あ そこまで行けば上りが終わるぞ、でもそうしたら走らないといけな いわね・・・。
実によく判ります。上りは歩いてもいいやと自分を許せますが、さ すがに上りが終われば走らないとね。

35kmエイドではうどんを出してくれました。こういう塩気のある汁物 は嬉しいなあ。
みんなランニング・シャツの背中には乾いた汗が塩となって白い 模様を作っています。

西湖と精進湖の間には青木ヶ原樹海があり、その中を切り開か れた道を走ります。
精進湖の西の湖岸の辺りでフル・マラソンの距離になりました。5 時間40分で通過。ほぼ予定通りの通過時間です。
そして43km地点が6時間30分の関門だったのですが、ここは40分 前に通過できました。

で、自分にちょっとご褒美を、ということで、ちょうど日陰になってい る場所の自販機を見つけたので、そこでトマト・ジュースを飲みま した。
とおりすぎる人がみんなうらやましそうに眺めていた?

50km地点を7時間をちょっと切るぐらいで通過。
これで残り20kmに4時間を残すことができました。
あとは歩いてでもゴールできるのではないだろうかという甘い考え も脳裏に浮かんでしまいます。
それはともかくとして、ここまで来れば完走はできるでしょう。

71kmだと、100kmウルトラとは精神的に全く違うなあ、とつくづく思 います。
100kmウルトラではたいていこの辺りに中間エイドが設けられてい て、着替えをおいたりします。
やっとこれで半分か、という思いで辿り着きます。
この地点で、まだ半分も残っている、と思うのと、あと20kmだけだ、 と思うのでは精神的に天と地ほどの違いがあります。

精進湖、西湖の反対側、南岸を走り、河口湖の南岸へ戻ってきま した。
こちらの岸辺からは近くに迫った山のために富士山は全く見えま せん。にぎやかな観光施設もなく静かです。

河口湖南岸の中間辺りが60km地点。ここを8時間30分で通過しま した。
この辺りでは1km8分かかるようになっています。でも、まあ大丈夫 でしょう。

ここのエイドで出してくれた梅干しお粥が、まあ、美味しかったこ と。
体内のカロリーは空に近くなっているのですが、胃がもう食べ物を 受け付けてくれない感じになっています。
パンとかカステラはもう無理です。オレンジが食べられるぐらいの 状態。
そんなときに胃に優しいこのお粥は本当に嬉しかったです。感謝。

後10km。もう足は痛い、痛い。
もう無理、歩いてしまおうかなという誘惑もあるのですが、最後に 残っているきつい上り坂にどれだけの時間を取られるかわからな いという不安もあります。
せっかくここまで来ておいて時間切れにはなりたくない・・・。
ということで、よろよろと走ります。

62kmあたりから河口湖湖畔をあとにして、4km程続くゆるい上り坂 が始まります。
このゆるい上りでは、ちょっと走ってはしばらく歩き、またちょっと 走ってはしばらく歩き・・・。

そして、66km地点の河口湖総合公園が最後の関門です。
制限時間は10時間5分。要するに、残りの距離は5kmですが、55 分では時間内完走はもう無理ですよ、ということです。
逆に言えば、1時間あれば何とかなるか、ということでもあります。
で、9時間40分で通過。残りは1時間20分か。

さてそこから始まる3km続くきつい上り坂がこの大会での一番辛 いところでした。
周りを見ても、緑ゼッケンの私ぐらいの遅い人では走っている人 は全くいません。
ときおり青ゼッケンや白ゼッケンの人がゆっくりと走っていきます。 さすがにロングコースの人は違うなあ。

この上りでは必死に歩いているつもりでも1kmに12分がかかって いました。
やはり1時間5qの速さかあ。
つぎの1kmには13分、そして次の1kmには14分がかかりました。う 〜む、これでも必死なんだがなあ。

やっと峠の頂上に着きました。
ここからは運動公園のゴールまでゆるい下りです。でも足が痛くて とても走れそうにありません。
歩いたってどうせ足は痛いのだから走った方が速く休めるぞ、と自 分に言い聞かせてのろのろと走りはじめてみますが、どうしても続 きません。

ついに運動公園の入口に戻ってきました。残り1kmです。
あまりに辛そうに歩いているのを見かねてか、沿道からは、もう少 し、頑張れ、と声援が飛びます。

残り500m。
最後ぐらいはと、よろよろと走ります。陸上競技場のトラックに入 り、ゴールが見えてきました。
マイクでひとりひとりの名前を呼んでくれています。
あきりんさ〜ん、お帰りなさい、70歳での見事完走です、おめでと うございま〜す。
あれあれ、私の時だけ年齢まで放送しているぞ・・・。

ゴール時間は10時間40分。
最後の5kmにはやはりちょうど1時間がかかっていました。

完走メダルをもらい、足の計測チップは自分ではかがめないので 係の人に外してもらいました。やれやれ。
あとで大会HPで確認すると、71.1kmコースの出走者1043名、完走 者は792人だったそうです。
河口湖の最高気温は26.6度。暑かったはずです。

実は、これが最後のウルトラ・マラソンだと思っての参加でした。
はじめて四万十川ウルトラ・マラソンの60kmコースに出たのは14 年前でした。
それから何回かは100kmウルトラも完走しましたが、3年前、2年前 と出場した大会ではどちらも80kmでリタイアしていました。
で、今回頑張ればなんとか完走できるのではないだろうかという 距離でのチャレンジでした。
これで区切りをつけることができました。ありがとう、ウルトラ・マラ ソン。




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