応援がすばらしい NAHAマラソン2011


 以前から一度は走ってみたいと思っていたNAHAマラソンです。
 前夜には沖縄通のTさんが企画した沖縄おでんバイキングでの 集まりへ。10数人が集まり、ビールをグビグビ、泡盛をゴクゴク。 全国のいろいろな大会を走っている人達ばかりなので、大会の前 夜だろうが気にせずに大宴会です(笑)。

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 さて当日は6時起床。ホテルも心得たもので、今朝は朝食を6時 から用意しています、とのこと。食べに行くと、ランナーと分かる人 ばかりでした。
 7時にホテルを出て、ゆいレール(沖縄で唯一のモノレールです) で大会会場へ。ここでも車内はランナーですし詰め状態でした。

 前夜祭でご一緒した皆さんの集合場所であるブルーシートへ。
 そこへホノルル・マラソン仲間のTSさんやTNさん、Hさんたちもあ らわれて、やあやあ、お久しぶり。
(Tさん、TNさん、Hさんとは10月の大阪マラソンも一緒に走ってい るんですが)。

 スタートの30分前に同じFブロック・スタートのTSさんと一緒に整 列地点へ。
 今回はAからJブロックまであったようで、各ブロックには300人ぐ らいずつ並んだようです。

 すぐ近くに被り物のランナーがいました。
 被り物といっても並大抵のものではありません。3mぐらいの高さ がある巨大な風力発電の塔です。風を受けると大きな羽根も回る ようになっています。身体は傾けられないし(倒れてしまいますか ら)、空気抵抗は大きいし、あれは大変だなあ。
 後で聞いたところによると、重さが4kgぐらいあったそうです。
 とにかく目立ちます。はたして、TVカメラが撮していました。

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 9時になりスタートしたらしいのですが、後ろの方ではなにも分か りません。
 やがてゆっくりと列が動きはじめて、スタートラインを越えたのは 10分過ぎでした。

 コースはすぐに那覇一番の目抜き通り、国際通りになります。
 噂には聞いていましたが、まあ、道の両側の応援はすごいもの でした。それこそ全那覇市民が集まっているのではないかと思え るほどです(笑)。

 このあたりは走路が狭いから注意がいるよ、と聞いていたので すが、もとからゆっくりジョガーですから渋滞もそれほど気になりま せんでした。
 ウォーミングアップみたいなものです。

 距離表示は1km毎でしたが、今日はタイムは気にしないことにし ていたので、時計を見ることはありませんでした
(ただあとで振り返るためにということで、5km毎に計測ボタンを押 してはおきました)。

 繁華街をぐるっと回ってくると5km地点です。
 あとで時間をみると38分ぐらいでした。やはり大阪マラソンの時 よりはかなりゆっくりと走っていました。

 それにしてもさすがに沖縄です。スタートしたときの気温は19度 でした。風はほとんどなく、雲もあまり出ていません。
 これは暑くなるぞ。

 今日は大阪マラソンのTシャツにCRXのスパッツ、そのうえにジョ ギングパンツの重ねばきです。
 このパンツには尻ポケットも付いていてウエストポーチが不要な ほどに物が持てます。
 しかし、今日は沿道からの差し入れが豊富だと聞いていました ので、食料はなにも持たず、汗拭き用のハンドタオルに、備えとし てのティッシュ、若干のお金だけをもって走りました。

 その沿道からの差し入れですが、これにはびっくりしました。
 とにかく皆さんがお盆などにのせて黒砂糖のかたまり、バナナ、 ミカン、カステラなどを、いたる所で差し出してくれます。
 スポーツ・ドリンクやお茶も用意してくれています。
 おかげで水だけが準備されているほぼ5km毎の公式エイドには あまりお世話になりませんでした。
 中にはスポーツ・ドリンクのソフト・パックを一つずつ渡してくれる 人もいました。あれ、ひとつ100円ぐらいするよねえ。

  コースは那覇の市街地を離れたあと、沖縄の南部をぐるっと時 計回りに回る周回コースになっています。
 ですから、まず島を東南に向かって横断しなければなりません。
 当然、いくつかの連続した坂越えです。勾配も結構あります。う 〜む。

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 10kmあたりからだったでしょうか、片道1車線の道路が続いてい るのですが、車の交互通行となっていて、走路は極端に狭くなりま した。
 暑いし、坂道だし、ということで、このあたりから早くも歩きはじめ る人が多くなっています。

 私が終始一番多い人数の時間帯を走り続けたのか、ずっと人の 波、波、波、です。
 ゆっくりとですが、それでもこちらは走っているので、どこまでも 歩いている人を交わしながら進みます。
 こりゃスピードは出ないなあ。

  沿道両側の応援の人が途切れることはありません。
 あちらこちらでは応援のパフォーマンスもしてくれています。
 集団でエイサーを踊ってくれているところもあります(これは元気 が出ます)。
 懐かしいYMCAを踊っているところもありました(ここは毎年の有 名どころらしいです)。
 もちろん、琉球民謡を歌って踊っているところもありました。

 面白かったのは、仲間のバンドの演奏に合わせて懐かしの歌謡 曲を歌っていたおばさん。
 のど自慢に出たら優勝するのではないかと言うぐらいに歌がと ても上手いのです。でも、身なりは普段着のその辺の普通のおば さんなのでした。

 沖縄の三線もあちらこちらで演奏してくれていました。
 前方からその三線が聞こえてきましたが、演奏者の姿が見えま せん。
 CDでもかけているのかなと思っていたら、なんと小学生ぐらいの 子どもが弾いていたのでした。上手いものでした。感心。

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 21.3kmの中間地点が平和祈念公園になります。
 公園の中をぐるっと通り抜けるのですが、ここは広い駐車場もあ るし、ということで、ランナーの付き添いの応援者が知人を見つけ ては大きな声で声援をかけています。
 あとで確認すると、ここを2時間35分で通過していました。

  この大会のコースはあまり記憶に残っていません。
 というのも、前半はほとんどが単調な郊外風景で、しかも両側に 応援の人がずっと並んでいますから何も見えないのですね(笑)。

 島の南側に出ましたが、まだ海は見えません。

  坂を越えてきての23km地点で彼方に初めて海が見えました。や っと沖縄の海です。
 と、海をバックに記念撮影をしているHさんたちを発見しました (二人で王冠の被り物をしているので結構目立ちます)。
 お〜いと、声をかけて先に行きます。

 差し入れで嬉しかったのは凍らせたチュウチュウ。
 甘いし、冷たいし、南国のマラソン大会にはぴったりの差し入れ だなと感心。でも、凍らせた状態で待っていてくれるわけですか ら、これも大変なことです。

 小さな子ども達がいたるところで一生懸命に、ミカンやチュウチュ ウを差し出してくれます。
 受け取らないと悪いような気になってしまうのですが、そんなにし ょっちゅうはいただけません。ゴメンね、と思いながら走りすぎま す。

 このあとは激しい上り下りはもうありません。やれやれ。
 25kmあたりでひめゆりの塔の前を過ぎます。
 実はこのあたりに有名なソーキそばエイドがあったのです。
 ぜひ食べようと思っていたのですが、このエイドは食べる人で場 所をとるために走路から少し奥まったところにあったのです。
 で、気づかずに通りすぎてしまいました。残念。
 (ソーキそばエイドの場所はNHK-BSで放送していたNAHAマラソ ンの特集番組で知りました。この番組で走った女性リポーターはF ブロック・スタートだったので、私のすぐそばにいたようです。TVに は、あの風力発電のかぶり物さんがしっかりと映っていました。)

   ***

 例年はここを過ぎて北に向かうあたりからは強い向かい風が吹 くと言うことでしたが、今年は微風程度でした。よかった。
 あいかわらず、どこまで行っても歩いている人がかなりいます。
 この大会の完走率は毎年70%ぐらいとのことでした。
 やはり暑さと連続坂道のせいでしょうか。

 ちなみに関門は2カ所で、中間点3時間15分と、33km地点5時間 です。
 今日はゆっくりと走っているせいか、それほど辛さは感じませ ん。
 これからはこのぐらいのスピードで走ると好いなあ。これなら70 歳ぐらいまではフル・マラソンが走れるのじゃないかなあ。

 器に並んだ差し入れ品が見慣れないものでした。
 これは何ですか?と尋ねると、みたらし団子ですとのこと。もちろ ん美味しくいただきました。

 変わったところではマンゴー・プリンも美味しかったですね。それ も冷たく冷やしてくれていて、アイスのようでした。
  蒸籠に入れたシューマイを差し出してくれているチャイナ服姿の お姉さんも発見。
 蒸し立てで湯気が立っています。もちろん美味しくいただきまし た。

   ***

  30km過ぎあたりからは市街地に近づいてきたせいか、道幅も広 くなりました。
 40kmあたりでゆいレールの線路が頭上にあらわれました。
 ゆいレールは那覇空港から那覇の中心市街まで続いていて、そ の途中にゴール地点があります。
 ここまで来ればあとは惰性でも行けるなあ(笑)。

 長い下り坂を走り降りて、運動公園が見えてきて、そしてゴー ル! 
 ネット・タイムで5時間15分でした。ま、今回はこんなものでしょ う。
 完走証はすぐに発行してくれました。
 タイムと共に順番も印刷されていて、7900番ぐらいでした。
 大阪マラソンよりも大分遅いこのタイムでこの順番とは、ちょっと 意外。

 あとで5km毎のタイムを見ると、最初から最後まで5kmを37分か ら39分で走っていて、ほぼイーブン・ペースで走ったことが分かり ました。

 仲間のいるブルー・シートに戻ると、すでに走り終えた人達はビ ールを飲んだりソバを食べたりと、宴会が始まっていました。みん な、強者やなあ。
 しかし、私は疲労困憊。Tさんや、Uさん、APさんと再開を約束し て、先にホテルへ引き上げてきました。

   ***

 ホテル近くのコンビニでビールを買っていると、レジのおばさん が、走ってきたんですか? と話しかけてきました。
 ええ、ゆっくりとですが・・・。走りきるだけでもすごいわねえ。
 おばさんが言うには、マラソンに招待されている黒人選手の人 がいるでしょ、あの人も昨日ここへ買い物に来たのよ。
 へえ〜、そうですか。

 でもこの近くは私が泊まっているところをはじめとしてビジネス・ ホテルばかりです。
 招待選手は大会事務局が用意したもっと高級なホテルに泊まる んじゃないかなあ。
 ひょっとしたら私が途中で抜いたあの黒人ランナーじゃないかな あ。

 翌日はレンタカーで沖縄観光をして、夜はTさん(Tさんは翌日か ら沖縄での仕事が入っていたのです)の案内で、TSさんも一緒に 沖縄民謡居酒屋へくり出しました。

 NAHAマラソン、正直なところ、道幅は狭いし(人気が出て参加者 が当初に比べて多くなったせいもあるでしょう)、上り下りの連続だ し、コースはそれほどよいものではありません。
 しかし、とにかく大会の雰囲気は素晴らしい。
 応援の温かさは半端ではありません。また走りたいと思わせる 好い大会でした。

 さて、来年はホノルルにしようか、NAHAにしようか、迷ってしまう なあ。



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