体調不良の加古川マラソン 2012


真冬の加古川マラソンに参加してきました。
1週間前から持病の腰痛が再燃していたので、走るのは止めよう かとも思っていたのですが、前日には軽快してきたので、ま、無理 をしないで行けるところまでは行ってみるかという悲壮な決意での 参加です。

8時過ぎに会場の加古川の河川敷に着くと、空は厚い雲におおわ れ、風が吹き抜けて、とにかく寒い。
スパッツにジョギング・パンツを重ね、上は体温を逃がさないという のが売り文句のタンクトップの上にロングTシャツ。
それに念のためにポケッタブルの薄いレインコートを畳んでポケッ トへ。(この携帯用のレインコートは、去年の宮古島ウルトラでは 日暮れてからの寒さ対策に大変に有用だったのです。)

フル・マラソンの参加者は3500人ほどでした。
15分前に陸連登録者がスタートし、一般参加者のスタートは9時 45分でした。
制限時間は5時間半で、途中関門が3か所にあります。
腰をかばっての参加なので、とにかく今日は時間内のゴールだけ が目標です。5時間15分ぐらいが目安ですが、なんとか5時間でい ければ言うことはありません。

この大会は河川敷を延々と往復するコースです。
ですから、河に沿った緩い勾配はあるものの、全く平坦なコースで す。これは嬉しいところですが、市街地コースではないので沿道の 応援もほとんどありません。これは寂しいなあ。

   ***

とにかく後ろの方からゆっくりとスタート。
5kmを35分ペースでいければ、40kmからの2.195kmに20分が残り ますから、なんとか5時間ぐらいになるはずです。
まずは10kmぐらいを河に沿って走ります。さあ、どうなるかな。

3kmぐらいの地点で「5時間ペースメーカー」という表示を付けた6 人が走っていました。
おお、この人達に抜かさなければ5時間でいけるわけだな。
とりあえず「5時間ペースメーカー」をかわします。

5km通過が32分あまり。ちょっと早すぎるかなあ。後半が心配で す。
ところがこのときに時計の操作を誤ったらしく、以後の計測がまっ たく狂ってしまいました。
タイムを狙うわけではありませんが、途中関門には引っかかりたく ないぞ。これは困ったなあ。
仕方なく5km毎のラップだけをチェックすることにしましたが、計測 ミスに気づくまでにどれぐらい時間がかかっていたのかも判りませ ん。
ということで、どれぐらいのタイムで走っているのかが判らなくなっ てしまいました。
もう普通の時刻表示でだいたいをみていくか・・・。ええと、スタート が9時45分だったから・・・。

悪いことは重なるもので、8kmぐらいから腰に鈍い痛みが出てきま した。
走るフォームを維持するためには、背中の筋肉をいかに使ってい るのか、腰の負担がいかにあるのか、を実感させられます。
腰がこわばっています。
しかし、腰をストレッチしようとして走りながら曲げ伸ばしをすると、 腰に響きます。
これはちょっと辛い状況だぞ。

腰への負担を少なくするために、かなりスピードを緩めます。
すると、抜かれるわ、抜かれるわ。
あっというまに百人ぐらいには抜かれたのではないでしょうか。

   ***

10kmで1回目の折り返しです。
折り返してしばらくして「5時間ペースランナー」とすれ違いました。
あまり差がないなあ。どこかで追いつかれたら、もう付いていくの は難しいなあ。

寒くなってきたので例のレインコートをポケットから出して着込みま す。
ウインド・ブレーカー代わりに温かくなります。
その代わり、白色なのですが不透明なのでゼッケン番号は隠れて しまいます。
すると要所要所での写真撮影時に番号が見えないので、あとで自 分の写真を探すことが出来なくなります。
でも、今日はどうせ情けない姿勢で走っているから、写真なんか 見なくてもいいや。

14km地点で閘門(河の流れを調節する開閉式のダムみたいなと ころ)を渡って反対岸に行きます。
おお、かなりの向かい風となりました。

前方から和太鼓の音が聞こえ始めました。
河原で6人程が叩いてくれていました。みると”加古川マラソン盛り 上げ隊”という表示が出ていました。
アトラクションはもうひとつ、中学生のブラスバンドが演奏をしてく れていました。
この河川敷の寒風の中でご苦労様でした。感謝、感謝。

悪いことは重なるもので、20kmぐらいから左足裏にマメができはじ めたような感触が出はじめました。
私はマメができることは滅多にないのですが、前回の加古川マラ ソンのときにもマメができかけて痛い思いをしました。
加古川の河川敷は舗装されているのですが、かなりの部分で小 石のでこぼこがある舗装道なのです。
このでこぼこでマメができやすいのではないかなあ?

後ろへの蹴りを大きくすると痛みが強くなるようです。
これは困った。仕方なく、あまり後ろへ蹴らずにすり足のピッチ走 法でしのぐことにしました。

   ***

中間点を通過しましたが、まったくタイムは判りません。
もうタイムはどうでもいいや。関門に引っかからないようにして、で きれば「5時間ペースランナー」に抜かれないようにしよう・・・。

この大会では20kmまでのエイドでは水とスポーツ・ドリンクだけで すが、後半になるとバナナや飴、塩、あんパン、チョコレートなどを 置いてくれています。
これは食料を持って走らなくて済むので有り難いことです。

24kmで2回目の折り返し。ここからはひたすらゴールへ向かって戻 ります。
ときおり少しの間だけ弱い陽が射します。
汗をかいてきたら、レインコートを脱いで腰に巻き付けます。身体 が冷えてきたら、また着込みます。
これは真冬のゆっくりランナーにはお勧めの方法です。

「5時間ペースランナー」一行とすれ違います。
かなりの人がペースランナーと一緒に走っていて、かなりの集団 になっています。
ちなみにこの大会では「3時間」「4時間」のペースランナーもいま す。で、それぞれでかなりの集団になって走っていました。
「5時間」の集団との差は同じくらいを保てています。追いつかれな いと好いなあ。

和太鼓の前をもう一度過ぎて閘門まで戻ってきました。
ここからは最後の8kmなのですが、橋を渡って方角が逆になった とたんに強い向かい風。
あれ、今までは追い風だったのか。気がついていなかったなあ(苦 笑)。
冷たい風が疲れきった身体、汗が蒸発していって冷え切った身体 にはこたえます。
足も進まなくなってきました。やれやれ、辛いぞ。

   ***

37km地点(残り5.195km)に大きな計測時計が置いてありました。
それによると4時間24分が経過していました(自分の時計なんても うまったく見ていませんでした)。
ネットで考えるとして、スタートライン通過まで1分ぐらいありました から、5時間までにはあと36分。
この疲れ様ではこれは無理です。
目標を下方修正。当初の予定近くということで5時間10分を目指そ う。
でも、それにしては「5時間ペースランナー」ご一行が追いついてこ ないなあ。

このあたりでは歩いている人も増えてきました。
こちらはよろよろながら走り続けているので、どんどんとかわして いきます。
でも逆に後ろからタッタタッタと軽快に抜いていく人もいます。
あんなに走れる人が何で今まで後ろにいたのだろう? 不思議。

残り1kmとなりました。コースの端の方に黄色いおそろいのTシャ ツを着た中学生が大勢いました。
引率の先生らしい人がいて、何か大声で言葉をかけてきたのです が、ちょうどコースの反対側辺りを走っていたのでよく聞き取れま せんでした。
そのまま通り過ぎたのですが、どうやら希望したランナーには、中 学生が1人ずつ付いて最後の1kmを伴走してくれるのでした。
ああ、あれは好いなあ。私も一緒に走ってもらえばよかったなあ。

で、ゴール!
時計を見ると、なんと4時間52分です。えっ!どうして?
すぐに完走証を発行してくれましたが、それによるネット記録は4 時間51分でした。
後から考えると、あの計測時計の経過時間は、15分早くスタートし た陸連登録選手用だったのですね。なあんだ、そうだったのか。
あの時点で諦めてしまわなくてよかったなあ。

   ***

今回のゴール・タイムは5年前のこの大会のときよりも10分以上遅 いものです。
しかし、その間に齢も重ねたし、体調不良でもあったことだし、これ はこれでよく頑張ったと、自己礼賛です。

暖かい体育館で汗を拭いて、着替えをして、やっと人心地つきまし た。
靴下を脱いでみると、足裏にまだ水泡は出来ていませんでした が、赤くこすれて炎症を起こしている状態でした。
太股や膝、腰はなんとか大丈夫でしたが、一番足裏が痛くてまと もには歩けません。

駅前に戻り、加古川名物のかつ飯にビールを飲んでからよろよろ と引きあげてきました。



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