潮風のゴールド・コースト・マラソン 2007

1.スタートまで 

  さて、初めてのゴールドコースト・マラソンです。 
 到着した翌朝が大会ですが、日本とオーストラリアの時差は1時 間しかないので、 身体はそれほど辛くありません。それに、スター ト時間が7時と、ホノルル・マラソン に比べてゆっくりなので、3時半 過ぎの起床と、朝もそれだけ長く寝ていられます。 

 今回はマラソン・ツワーでやってきました。 
 スタート地点はホテル街からはかなり離れています。ツワーの送 迎バスで向かい ます。 
 大会のオフィシャル・バスは有料です。個人参加する人はシャト ルバスのチケット も申し込むようになっています。 
 ただ現地の参加者が多く、車で送ってもらったり、歩いてスタート 地点に向かって いる人もかなり見かけました。 

 この大会全体の参加者は1万人を越えているとのことでしたが、 フルマラソンの ほかにハーフマラソン、10km、ウォーキング、とあ り、フルマラソンの参加者は3000 人です。 
 日本人は約1割とのことでしたから、300人ぐらいでしょうか、ホノ ルルに比べる と、圧倒的に外人、それもオーストラリアの人が多 い大会です。 

2.スタートして 

 すっかり明るくなって7:00にスタートです。 
 国歌斉唱とか牧師さんの祝福とかいったセレモニーはありませ んし、花火が上が るといった華やかさもありません。 
 お祭り騒ぎの雰囲気はなく、普通の市民大会のスタートです。 

 雲一つない青空です。初秋のような気候でときおり気持ちの良 い風が吹き抜けま す。 
 スタートしてまず南へ下がります。 
  コースの距離表示は、マイル表示ではなく、うれしいことに1km 毎です。こりゃあ 判りやすくていいや。 

 海岸に沿った街並みの中を抜けるとサーファーズパラダイスの 辺りへやってきま す。 
  そして海岸沿いに出ます。白い波が砂浜に打ち寄せています。 海からの風が気 持ちよく、最高の気分になります。  

 コースはフラットです。一番きついところで高低差はたったの8m ということでした。 
 前日に金哲彦氏の「コースの下見付きマラソンセミナー」に参加 したのですが、走 りやすい気候だし、最後までフラットだし、皆さ〜 ん、自己記録がねらえるコースで すよ、と言われて、始めはそん なつもりは全くなかったのですが、つい、それなら還 暦祝いにねら ってみるか、という気になってしまいました。 
 そこで、1km6分半ぐらいでいこうと考えてしまいました。 
 もちろんこれは、今の私にとっては無謀とも言えるチャレンジで す(笑)。 
 だいたいの定説として、ウルトラをはじめると体力温存走法にな るので、フルのタ イムは遅くなる、というのがあるのです(ホンマか いな?)。 

3.第一折り返しまで 

 スタートしてしばらくすると集団がばらけて走りやすくなります。 
 すると、なんとなく黒のノースリーブの若い女性と前後して走るこ とになりました。 横になったり前後になったりでペースも1km6分15 秒ぐらいでちょうど良い具合で す。 
 5km通過が33分と予定通りです。 

 5kmを過ぎた辺りから、1回目の折り返しをしてきたトップランナ ーとすれ違いはじ めます。 
 誰か有名人が出ているという情報もあまりなく、TVカメラが追い かけているという こともありませんでした。 
 肥満タレントの松村某が出ていたということを後で知りました。最 後尾に近いとこ ろを走っていて、9時間あまりをかけてゴールした そうです。 

 仮装ランナーはほとんどいませんでしたが、女性の和服ランナ ーがいたのには 驚きました。 
 服丈は7分といったところでランニングシューズを履いています が、それでも裾は 充分には広がりません。よちよちの小走りで す。たすき掛けをして頭は姉さんかぶ りです。おまけに手には信 玄袋をぶら下げているので手も振れません。 
 ところがスタートすると、あっという間に見えなくなってしまいまし た。さすがに仮装 ランナーは実力者なのだなと感心しました。 

 だいたいが皆早いのです。ホノルルのように極端に遅い人はい ません。 
 金哲彦氏が、この大会のレベルは高いですよ、言っていたことを 思い出します。 制限時間は7時間ですが、ゴールが6時間台の人 はぱらぱらしかいませんから寂し いですよ、とのことでした。 
  
 風船を付けたペースランナーも用意されています。 
 一番早いペースランナーはなんと3時間です。こんなペースラン ナーに付いていく 人って何人いるんだぁ? 
 あとは3時間15分、3時間30分というぐあいに15分刻みにいて、 一番遅いペースラ ンナーでも4時間30分です。 
 なんとかこのペースランナーには抜かれないように行きたいとこ ろです。 
  
 調子よいペースがきざめて10kmが1時間2分、おお、理想的では ないか。 
 ところが、ここまで前後して走っていたくだんの黒のノースリーブ のお姉さんは、 10km表示を過ぎた途端にスピードアップをして行 ってしまいました。 
 なんだ、最初は押さえていたのか。付いていきたくてもこちらはこ れ以上はスピー ドアップは出来ません、残念。 

 エイドは2.5km毎に水、5km毎にスポーツドリンクと水が置いてあ ります。なんでも オーストラリアの法律によりエイドに食料はおけ ないとのことでした。 
 スポーツドリンクは薄赤色をしています。見た目が少し気持ち悪 く(人工着色料を 思わせるのです)、飲んでみると変な味です。あ とで判ったのですが、こちらでは一 般的な赤色のゲータレードだっ たようです。 

4.25kmあたりまで 

 ブロードビーチ、マイアミビーチと過ぎて、12.5kmで1回目の折り 返しです。ここか ら全く同じ道を引き返します。 

  道に沿った朝の公園ではフリーマーケットをしたりしていました。 
 この大会の沿道の応援はほとんどありません。 
 しかし、ところどころで演奏をしてくれている人もいます。ホノルル のように特設舞 台が組まれているとかではなく、おじさんが家の 前にエレピを持ち出してトランペッ トのおじさんと一緒にジャズを 演奏したりしています。 

  20kmが近づいてきました。 
 すると、あれは? 前方に見覚えのある黒いノースリーブのお姉 さんを発見しまし た。ありゃ、ペースダウンしているぜ。 
 根性悪の私は(笑)がぜん調子が良くなって、徐々に追いつき、 ついに抜いてしま いました。 

 ハーフ地点で2時間10分です。 
 これはいいペースで来ています。このままいけば、4時間半を切 れるかな・・・? 
 この辺りで例の和服姿のお姉さんに追いついてしまいました。 
 沿道の応援は少ないのですが、さすがにこのお姉さんには声が かかります。日 本語でかけられる声援には、暑いよぉ〜と叫んで いました。 
 あっさりと抜いてしまいました。あの衣装で走るのは、やはり大 変だよ。 

 約25kmでスタート地点に戻ってきます。ここをそのまま通り過ぎ て、今度はひたす ら北上します。ハーフマラソンの人たちはとっく にゴールしていますから、そんな人 たちも交えてこの辺りだけは 応援が多くなります。  

5.第二折り返しまで 

  ここからは海岸を離れて普通の郊外の道を走っているという感じ です。 
 ただ、ホノルルマラソンのように単調なハイウェイを走るというこ とはありませんか ら、廻りの郊外のたたずまいを眺めながら走る ことができます。  

 暑くなってきています。ひっきりなしに汗を拭くようになりました。 
 幾つかの運河にかかった橋を渡ります。海からの風が心地よく 感じます。 
 エイドのコップは2色になっていて、黒のコップに例のスポーツド リンク、白のコッ プは水です。オーストラリアの水は飲んでも大丈 夫とのことでした。 
 エイドの度にコップの水を首筋からかけます。 
  
 30kmで3時間10分。うん、まだいけています。 
 ところが、このあたりでなんということか、4時間30分の風船を付 けたペースラン ナーに追いつかれてしまいました。 
 ペースランナーの周りにはかなりの人数が集まって走っていま す。これに付いて いかないとまずいかな、しかし、もう少しゆっくり でも良いはずなんだが・・・。 
 結局1kmぐらいを付いて走ったのですが、疲れがどっと出てきて 次第に遅れはじ めてしまいました。 

 34km地点で第2折り返しです。 
 すれ違うランナーの数を見ると、ゴールタイムが4時間から4時間 半がボリューム ゾーンのようでした。 
 私のいるあたりはすでに大半の人よりは遅い部類になってしま いました。ちょっと 意気も下がるなあ・・・。 

6.ゴールまで 

 しばらくしてすれ違った例の和服姿のお姉さんは完全に歩いて いました。やはり 辛いよなあ、あれは。 
 暑い! 35kmで3時間50分と、この5kmにはついに40分がかか るようになってしま いました。 
 最初にとばしすぎたのかなあ? 給水は歩きながらするようにな ってしまいまし た。 

 40kmで4時間27分、やはり40分近くがかかっています。 
 自己記録は無理になったし、もう歩きたいなという誘惑に必死に 逆らいます。「し まなみ海道」の時のような、ここで根性を見せ ろ!と自分に檄を飛ばすほどの勢い は今回はありませんでし た。 

 このくらいのタイムで走っていると、この大会では本当にランナ ーはもうぽつんぽ つんなのです。 
 ホノルルのように5時間を過ぎるようなペースでも、まだ後ろに何 千人もいるぜ、 という安心感がありません。よろよろ、よろよろ。 

 残り1kmになり公園の中に入ります。さあ、ラストスパートをしよう と頑張ります。 数人を抜いて最後だけは、なにくそ!といった感じ でした。 
 結局ゴールは4時間40分あまりと、ホノルル・マラソンよりは良い タイムでしたが、 自己記録にはとてもおよびませんでした。30km までは良かったんだけれどな。 

7.ゴールして 

 ツワーテントに戻って、アイシングの氷で太股を冷やしながらカ レーを食べて豚汁 を飲みます。マッサージ・サービスもあったの で、もちろんしてもらいます。 
 久しぶりにツワーでくると、便利でいいなあ。 

 このマラソン大会は、ホノルルとは違ってナイキなどのスポンサ ーがほとんど付 いていません。そのため、記念グッズの販売もあ りません。 
 大会から完走賞としてもらったものは、まず完走Tシャツ。これは 綿とポリエステ ルの混紡で綿100%に較べると速乾性です。デザ インは文字が主体で、あまり華 やかなものではありませんが、背 中にも大会名が入っているのはうれしいところで す。 
 それとメダル。これはホノルルマラソンでくれるものによく似てい ます。 
 もう一つ、紺色のナップザック。これにも大会名が入っています ので、さりげなく自 慢できます。あ、これ? ちょっとゴールドコー ストの大会に行って来てさ、なんて。 

 これが記念品の全てです。街でも大会の記念グッズは見かけま せんでした。ん、 マラソン・キャップぐらい売っていて欲しいよ。 

 大会の翌日、ゴールドコーストの街には、やはり完走Tシャツを 着た人がかなりい ました。 
 ハーフやウォーキングの完走Tシャツは色が違ったりデザインが 違っているの で、どの種目に出たのかはすぐに判ります。 

 全体的な印象としては、ホノルルとはかなり雰囲気が違う大会だ なと感じました。 
 言ってみれば、ホノルルは日本人のために用意しましたよ、お客 様いらっしゃ い、という感じが若干あります。 
 この大会はそんな感じは全くなくて、現地の人が全く自分たちの ために開いてい る大会に、ちょこっと参加させて下さいね、と混じ るような感じです。 

 今年は例年よりかなり暑いとのことでした。確かにフラットなコー スですから、気 温さえもう少し低ければ十分に自己記録の狙える 大会です。 
 今回、残ったA$は日本円に戻さずに持ち帰りました。 
 来年、使えるかな? 
 9月にはシドニーマラソンもあるしな・・・。 



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