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1.スタートまで
3回目になる「しまなみウルトラ遠足(とおあし)」に行ってきました。
これまでの戦績は1勝(やっと完走)1敗(80kmでリタイア)です。な
んとか今回で勝ち越にしたいものです。
前日に会社を早引けして福山へ向かいます。
受付会場で、あきりんさ〜んと、Tさんが声をかけてくれました。
Tさんとは、私が初めてフルマラソンを走ったホノルルで会って以
来のおつき合いです。不安と期待を抱きながら、初フルの前夜の
食事を一緒にとったことを懐かしく思い出します。
ただ最近はすれ違いが多く、5年前ぐらいの淀川マラソン以来の
再会です。
お久しぶり、変わっていませんね。
今日はあとで食事を一緒にとる約束です。
受付会場からホテルに向かってぶらぶら歩いていると、思いがけ
ない人を発見しました。
えっ、なんで貴女がこんなところにいるの?
ホノルル・マラソンで毎年会うKさんでした。国内でも、かなり以前
の「ラン&ウォーク イン 乗鞍60km」でご一緒したことがあるし、
何年か前の「萩往還」でも一緒に走っています。
でも、しまなみウルトラに出るなんて聞いていなかったよ。
完走できるかどうかわからないので参加することは誰にも言って
ない、完走できたらネットで報告する、ということでした。
なんや、こそ出(誰にも言わずにこっそりと大会に参加することを
言います)かいな、明日また会いましょう、とお互いの健闘を誓い
ます。
夕方5時半からTさんが呼びかけてくれた前夜食事会に参加しまし
た。
ネット仲間が10人ほど集まりました。初対面の方ばかりでしたが、
いろいろな大会の話などで盛り上がります。私がいつかは出よう
と思っている「宮古島ウルトラ」の情報もいろいろと聞くことができ
ました。
前夜食事会は7時過ぎに終了しました。近くのスーパーで明日の
朝食を各自調達しました。
2.スタート 福山〜尾道
夜は5時間ほど寝ることが出来ました。3時起床、おにぎりとお茶で
朝食を済ませて4時過ぎにホテルを出ます。
まだ薄暗い駅前通をランナーが続々と荷物預け場所に向かって
います。皆、ゴールの今治まで運んでもらう荷物と、中間地点で受
け取る荷物の2つに分けて持っています。
スタート地点は、駅裏の福山城城内の広場です。
今年の参加者は約1100人。募集は1000人だったのですが申し込
みが多く、定員オーバー後の遅くの申込者には参加費を返金して
断ったそうです。
制限時間が16時間と、国内の100kmウルトラの大会では最も制限
がゆるい大会のひとつで、それになんといっても、しまなみ海道の
雄大な景色を眺めながら走るというのが人気の秘密でしょう。エイ
ドをはじめとするサポートも文句のつけようがありません。
Tさんをはじめとする昨夜の前夜食事会のメンバーとお互いの健
闘を誓います。
次第に明るくなってきて5時に予定通りのスタートです。
いつものペースでと、まずは福山から尾道までの約20kmを国道に
沿って走ります。
曇り空でゆるやかな風も気持ちよく、このぐらいの天気が続いてく
れれば言うことないのだが、と暑くならないことを願います。
ところが、5km通過が、えっ、43分? これはいくら何でも遅すぎま
す。最後までこのペースで行けるのならともかく、後半の落ち込み
を計算に入れれば、前半は少し貯金をしておかなければなりませ
ん。
とにかく目安としては、50kmを6時間半、60kmを8時間で通過が目
標です。残り40kmに8時間が残せれば楽勝でしょう。これで完走タ
イムの予定は15時間25分です。なんとか、これに近づけなくて
は・・・。
お年寄りが朝のラジオ体操をしている広場にさしかかりました。去
年はまだ準備をしているところでしたが、今年はペースが少し遅い
ためにもう体操が始まっていました。
驚いたことに5人ぐらいのランナーが、広場の隅でお年寄りと一緒
にラジオ体操をしていました。うへぇ、こちらはもう焦っているの
に、余裕のある人は違うなあ、と感心そのものです。
10kmを過ぎたあたりで、自転車に乗ったおじさんが、隣を走ってい
たランナーに話しかけてきました。
どこから走ってきたんかな? ・・・福山からです。
そりゃあすごいな、よく走れるね、で、どこまで行くんかな? ・・・
今治までです。
おじさんは絶句しました。その辺りを走っているランナーをあらた
めて見回しています。普通の人にとっては、まあ、そうでしょうね。
15kmエイドではぶっかけうどんがありましたが、まだいいやと、素
通りします。
あれ、Tさんはもう食べているぞ。
3.尾道〜向島
尾道大橋が見えてきました。
今年は新しく購入した携帯電話をウエストポーチに入れていま
す。なんとカメラ機能も付いています(いまや当たり前か。今まで
の私の携帯電話はカメラもなければ、音楽もなりませんでした。勿
論メールもできない代物でした)。
そこで橋をバックに写真を撮りました。この辺りでは未だ余裕があ
ったのですね。7つの橋全部の写真を撮ろうなんて考えていました
(実際にははじめの3つの橋しか撮る元気がありませんでした)。
これで20km。急な坂道と階段を上がって尾道大橋へ。いよいよ瀬
戸内の海を渡ってはじめの島・向島へ入りました。時間は2時間40
分と、目標の20分遅れです。
このしまなみでの一番の敵は暑さです。今年の予報では27度まで
上がるとのことでした。
そこで暑さ対策として、今年はネッククーラーなるものを持参しまし
た。これは特殊ゲルが封入されたネッカチーフで、あらかじめゲル
に水を含ませておくとその気化熱が5時間程度持続するというもの
です。
8時近くなり次第に暑くなってきたので首に巻きましたが、確かに
ひんやりとして気持ちがよいものです。首筋の日焼けは体力消耗
にもつながるとのことですから、これは案外よかった可能性があり
ます。
4.因島〜生口島
長い長い階段を上がってたどりついた因島大橋を渡って、2番目
の島・因島へ。
やがて和太鼓の大きな音が聞こえはじめて、最初の大きなエイド
である35km地点の因島アメニティ交流館に着きました。
広い芝生の広場があり、その入り口ではおばさんが法螺貝を吹い
ています。
ここでの楽しみはなんといってもオレンジからその場で絞ってくれ
る生ジュースです。オレンジ2個を惜しげもなく使って1杯のジュー
スを作ってくれます。どんどんお代わりして下さいね、と嬉しい言
葉です。おいしくお代わりも頂きました。
しかし、用意するオレンジは数千個になるのではないかな。感謝
あるのみです。
ここでは紫蘇の葉入りの人参ゼリーなるものも食べましたが、これ
はあまり美味しくありませんでした。
昨日の食事会でご一緒したA子さんと会いました。これ以上暑くな
らないといいですね。
A子さんとは同じぐらいの走力だったらしく、このあともいくつかの
エイドで一緒となり、ゴール時間もほとんど同じでした。
フルマラソンの距離も過ぎて、生口橋を渡って3番目の島・生口島
へ。
このあたりでだったか、毎年一人のおばあさんが道ばたで夏みか
んをむいてくれています。ほら、食べんさいと、皿に載せながら声
をかけてくれます。
ありがとうございます、と一ついただきます。
5.中間点〜
50km手前の海洋センターへ着きました。時間は6時間40分です。
先に到着していたTさんたちが、あきりんさ〜んと声をかけてくれま
した。
このエイドではトレーナーがマッサージをしてくれます。太股とふく
らはぎを重点的にしてもらいました。
預けてあった荷物を受け取り、ゼッケンを付け替えてシャツを新し
いものにしました。すぐに汗で濡れますが、ま、気分転換です。つ
いでに靴下も替えました。
おにぎりを食べていると、”こそ出”のKさんがやって来ました。
お〜いと呼びかけると、もう足が痛い、どこでリタイアしようかと思
いながら走っている、とのことでした。
結局、このエイドで20分ほど休んだので、50km地点通過は7時間5
分と、目標よりも35分遅れです。
ありゃあ、私の計算ではゴール予想が16時間ちょうどと言うことに
なってしまいます。これは少しスピードアップを図らなければ難しく
なってきたぞ。
生口島サンセット・ビーチの55kmエイドは気持ちのよいところで
す。穏やかな瀬戸内の波が打ち寄せる砂浜に面しています。
しかし、もう写真を撮る余裕もありません。
頭から首筋に水を何杯もかぶります。乾き始めていたネッククーラ
ーが冷やされてまた首筋がひんやりします。
水分と塩分の補給のために、西瓜に塩をふっていくつも食べま
す。本当は梅干しも食べればよいのでしょうが、私は梅干しが嫌
いなのです(泣笑)。
6.多田羅大橋〜大三島〜伯方島
60kmは4つめの橋、1500mの長さの多田羅大橋の真ん中になりま
す。時間は8時間半。目標よりは30分遅れ、去年よりは20分遅れ
です。
これを渡りきって大三島へ。61kmエイドです。
この辺まで来ると、とにかくなにか甘い飲み物が欲しくなってきま
す。そこで自販機を探します。
自販機の一番人気は100円のコーラ缶です。炭酸が疲れをとって
くれるような気になるのです。そのため、私が通りかかる頃にはど
の自販機でもコーラのミニ缶は売り切れになっています。で、ねっ
とりとした味のものを、ということでフルーツ・オレを飲んでみまし
た。うん、美味しい。
すると、あきりんさ〜んと、”こそ出”のKさんが通りかかりました。
なんや、リタイアすると言いながら頑張っているやないか。Kさんも
多いときは月間走行距離200kmをほこる人です。これは負けてお
られんぞ。
今度は大三島橋を渡って伯方島へ。
66kmエイドでは一人一人に氷水で冷やした濡れタオルを渡してく
れます。これは最高に気持ちのよいものでした。顔を拭いて、首筋
を冷やして、それから太股を冷やします。う〜、効くなあ〜。
あと4km頑張れば次のエイドでは美味しいそうめんが待っている
よ、係りのおばさんが励ましてくれます。
身体がだるくて、とにかく走り止めたくなります。
しかし、ここで誘惑に負けて止まってしまったら後が続かなくなりま
す。立ち止まるためには自分を納得させる理由が必要です。そう
だ、足のストレッチをしなくてはならないだろう。非常に聞こえのい
い理由を付けて立ち止まり屈伸運動をします。
確かに足はばんばんに張っています。ふくらはぎが痛くてヤンキ
ー座りもできません。ゆっくりと筋肉を伸ばすようにしてやっと屈伸
運動をします。
数回これをくり返して、さあ、走りつづけなくては。
7.伯方島〜大島
70km過ぎの伯方・道の駅エイドです。
今年も大歓迎ぶりで、マイクで到着したランナーの名前を呼んでく
れています。そうめんも頂きました。生のオレンジジュースも頂き
ました。
ここではもう座り込んでの休憩でした。靴も脱いで蒸れた足を風に
当てます。足裏にしびれたようなだるさがあります。
仮に1mを1歩で走ったとしても100kmを走るのには10万歩が要り
ます。私のジョギング時の歩幅は70〜80cmぐらいしかないでしょう
から、ざっと12万〜13万歩が必要です。そりゃあ、足裏も酷使され
ているよなあ、と自分の身体に同情します。
A子さんとまた会いました。もう、よれよれですわ。
実はここでは走りすぎる”こそ出”のKさんにも目撃されており、座
り込んでいる私を見て、制限時間大丈夫かいな、と心配してくれて
いたそうです。
すぐに伯方大島大橋を渡り、最後の島、大島に渡ります。
70kmエイドでの休憩時間がひびいてか、75km地点通過は11時間
半です。残り25kmに4時間半しかありません。ひょっとすると制限
時間に間に合わないかもしれないな、と考え
始めました。
去年のゴール地点での光景が思い出されます。
夜の9時前になるとカウントダウンがはじまるのです。そして9時に
なると、制限時間終了で〜す、との放送がされるのですが、そのと
きにも向こうからは必死にゴールを目指して走ってくる人が何人も
いるのです。会場に一斉にため息が漏れるのです。
でも、たとえ制限時間に間に合わなくてもいい、とにかく100kmを
走りきろうと考えます。
75kmエイドでだったか、隣にいた人が、その汁を下さい、と、レモン
のスライスが並べられているバットにたまった汁を指さしました。蜂
蜜につけてあるからちょっと味が濃いいかもしれませんよ、と係り
の人がバットを傾けてコップについでいます。
お、私にも下さい。
水で薄めて飲むと、これはいけますね、クエン酸が効いてきそうで
した。
この75kmからは長い長い上り坂で大島を横断して反対側へ降り
ます。単調な上り坂が続きます。なんとか走りたいのですが、どう
しても続きません。
このあたりになると、前後の人たちは同じような早さの人ばかりで
す。なんとか制限時間内にと必死です。
抜いたり抜かれたりをくり返しますから、シャツも覚えてしまいま
す。あ、また山本小鉄のシャツに抜かれてしまったぞ、お、青梅マ
ラソンのシャツの人をまた抜いたぞ。
8.大島〜
80km地点の吉海町バラ公園エイドに着きました。一昨年には無
念のリタイアをした思い出深いエイドです。
傍らの売店ではソフトクリームを売っていますが、これは口の中が
べたつきそうです。昔懐かしいアイスクリン、という張り紙がありま
した。これならさっぱりしているだろうとこちらを食べてみると、これ
は大正解でした。
疲れてはいますが、まだまだ大丈夫です。10分ほど休憩して、さて
行くかと出発します。
ちょうど公園の出口で、Kさんがやってくるのとすれ違いました。ア
イスクリンが美味しいよ、と声をかけましたが、わかったかなあ。
残り時間は3時間40分。やはりぎりぎりだなと考えます。
エイドでの休憩も入れて5kmを55分平均で行かなくてはなりませ
ん。去年も残りの20kmは5kmに55分ずつかかっています。
ここからの6kmは根性が試される一番の区間です。なんとか少し
でも貯金を作ろうとよろよろと走ります。しかし、足が痛い。
岬を回ってしばらくだけ遠くに来島大橋が見えました。しかし、次
の岬を回るとまた見えなくなってしまいました。海に突き出た岬の
位置と方角によるのです。
岬を回るたびに来島大橋が見えるかな、今度は見えるかな、と期
待します。そして、ついに手の届くところに大橋がはっきりと見える
岬を回りました。
自販機の横でひと休みです。隣で缶ジュースを飲み始めた若い男
女の二人連れとの会話、
もう少しで来島大橋ですね。ここまで来ればなんとかなるかなあ。
聞くと、去年は制限時間15分前の完走だったとのこと。
私は、なんとリ○ル・ゴールドという栄養ドリンクを飲んでいたので
すが、これが効いてくれるかな、と缶を見せると、ああ、そりゃ効い
てくれるでしょう、と大笑いされました。
結局この二人とは四国に入ってからも前になり、後になりで、ほぼ
同じタイムでのゴールでした。
来島大橋の手前の86kmエイドまで来ました。
またAさんと一緒になります。ここまで来ればなんとかなりそうです
ね。
そうです、ここまで来れば時間はともかくとして、とにかく完走は出
来ます。去年もここまでやって来てホッとしたことを覚えています。
9.来島大橋〜四国
長い取り付けの坂を上り、ついに来島大橋の上に出ました。
この橋を走って渡るためにこの大会にやってきたと言っても過言
ではありません。痛い足を引きずって走り始めます。
今年は曇り空で、あいにく夕日を見ることができません。
来島大橋の上で夕日が沈んでしまったら時間内完走は難しいよ、
これまで聞かされてきた言葉が脳裏をよぎりますが、今年は判断
できません。
ところが、ちょうど橋の真ん中辺りを走っているときに雲間から少
しだけ夕日が見えました。山の端まではまだ少し高さが残ってい
ます。よし、行けるだろう。
心地よい夕方の海風が吹き抜けます。
橋を渡りきって、四国の地に着きました。
ループになった坂をぐるぐると回りながら降りて、残り8kmのエイド
に到着しました。
残り時間は1時間40分あります。なんとかこの12kmを2時間で走り
ましたから、同じペースが維持できれば十分に間に合う計算となり
ました。もう橋への上り下りもありません。
ん、なんとかなったなあと、ここで時間内完走を確信しました。
10.四国路〜ゴールへ
陽の落ちた四国路を走ります。
といっても、時間内完走が確実となったために張りつめていた気
力も少し抜けて、歩きが多くなってきました。こういったところが私
の根性の無さです。
ところが、いつまでも95kmの表示が見えません。これは思ってい
るよりも時間をくっているぞ。あまり油断しすぎて取りこぼしてはい
かんな、とあわてて痛い足を引きずって走り始めました。
前方に、あれ、エイドだ!
そこは96km地点の最終エイドでした。傍らの女性に聞いてみる
と、交差点のところに95kmの表示があったとのことでしたから、信
号に気を取られて見逃したのでしょう。どちらにしても安心しまし
た。
最後にもう一つの気がかりがありました。
今年は残り2kmのコースが変更になっているのです。これまでは
港近くの市街地を走るだけだったのですが、修復工事が終わった
とのことで今治城の中を走ることになっているのです。
この辺りでは4〜5人が一緒に走っていたのですが、案の定、城内
に入って皆、ええ〜っ!と声をあげました。
やはりそこではお城特有の石段が待っていたのでした。
最後の最後、痛む足にはこたえます。お城見学はしなくて良いか
ら平地がいいなあ。残り時間の1分を争っている人にとってはかな
りの負担になったことでしょう。
お城を抜けて残り1kmになりました。
この時間帯に戻ってくる人はかなりの人数です。皆、最後は走ろう
としています。あの信号を曲がってあと40メートルですよ、誘導の
係員が叫んでいます。
ゴールでは一人一人のテープを切る瞬間の写真を撮って、完走
証と一緒にプレゼントしてくれます。前に3人ほど詰まっていたの
で少し時間調節をしてから、ゴォール! ガッツポーズをとってテ
ープを切りました。制限時間までは20分が残っていました。
11.ゴールをして
すぐにAさんに声をかけられました。お互い間に合って良かったで
すね。
ゴールをしてまず始めにしたことは、なにはともあれ、ビールで
す。いやあ、この美味しいこと。
この大会では、コース上の3カ所でプロのカメラマンが写真撮影を
しています。ゼッケン番号別に分けられた写真を見て好きなもの
を買うことが出来ます。慣れてきたせいもあって、今年は3枚ともポ
ーズも決まっています。勿論購入しました。
さて、次にぶっかけうどんを食べようと並んでいると、戻ってきた”
こそ出”のKさんを発見しました。時間を見るとまだ9時前です。
やったね、と声をかけると、もう時間がないので最後は必死で走っ
たわよ、ということでした。これで”こそ出”じゃなくなるね。
バスでホテルに戻り、荷物の整理もそっちのけに、バスタブに少し
ぬるめのお湯を張って身体をつけます。ああ、満足感の伴った至
福のひとときです。
ぼんやりと今日の一日を振り返りながら、途中でうとうととしながら
小1時間も湯に浸かっていたでしょうか。
それから購入してきたコース上での写真を眺め、もう1本ビールを
飲んで、あっというまに熟睡に入りました。
12.終わりに
翌日は今治からしまなみ海道を渡る高速バスで福山まで戻りまし
た。
バスは、しまなみ海道の7つの橋を次々に渡ります。昨日は走って
渡った7つの橋です。窓から眺める景色は感無量でした。
去年は、一生に一度のウルトラ完走でもいい、今日だけでいいか
らとにかく頑張ろうと、必死に頑張っての初完走でしたので、感激
もひとしおでした。
それに比べて今年は、去年完走できたのだから今年も完走できて
当然だろう、という自分への思いこみがあり、これがプレッシャー
になっていました。
やっぱりこれはいけません。同じ大会であっても、今年の私にとっ
ては別の大会です。そう思えば、今年の私もよく頑張ったのでし
た。
今年も心配していたほどは暑くなりませんでした。完走率は74.9%
と、昨年とほぼ同じでした。
2日ほど経つと、階段を降りることさえ苦痛だった足の痛みも嘘の
ように引いていきます。75kmからバラ公園までが一番苦しかった
な、来島海峡大橋の海風は気持ちよかったな、と、あの長かった
一日のことが思い出されます。
さて、・・・来年の私は、どうするつもりかな?
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