暑さでリタイア ユリカモメ70km・2008

5月の連休には「萩往還ウルトラ」が開かれます。
しかし、これからはなるべく出たことのない大会に出ることにしょう ということで、武庫川の河川敷で行われる「ユリカモメ70kmウルト ラ」へ初めて行ってきました。
行ってきましたが、撃沈でした。

この大会の特徴は、ウルトラマラソンなのですが10kmの河川敷コ ースを延々と7周するということです。
なにしろ1周すれば荷物置き場に戻ってくるので、いつでも止める ことができます。
この甘い誘惑に満ちた状況で根性がどこまで続くか、が問題な大 会です。毎年の70km完走率はだいたい50%ということでした。

制限時間は8時間半で、60kmで7時間30分という関門があります。
私のウルトラ走力からすればこの関門突破はまず無理だろうと思 われました。
というのも、これまでの四万十川ウルトラ、しまなみウルトラでの 60km地点通過はいつも8時間前後でした。
そういうことで、60km走破が目標、ま、無理なら50kmでもいいか な、という情けないモチベーションでの参加です。

今回は16回大会ですが、参加者は470人でした。第1回の時の参 加者は17人で、完走者は4人だったとのことです。
これまでの大会記録はなんと4時間42分! いかに河川敷のフラ ットなコーストは言え、私のフルマラソンのタイムとそれほど変わり ません。驚異的です。

8時半にスタートです。まだ温度もそれほど上がっていなくて、元気 いっぱいのスタートです。
コースは、スタート地点から上流に向かって4.4km走って第1折り 返し。今度は下流に向かって走り、スタート地点を0.6km通り過ぎ て第2折り返し。スタート地点に戻ってきて10kmというものです。

エイドはスタート地点と3.5km地点に設けられています。
そうすると、往復でエイドを利用できますから、結局走者にとって は3.5km、5.3km、8.8km、10kmでエイドがあると言うことになりま す。これは上手い設置だなと感心しました。

3kmを過ぎたあたりでもう折り返してきたトップとすれ違います。
早い! あんなスピードで70kmを走りきるんだなあ。
周回コースなので、何回も折り返しているうちに、すれ違ったり抜 いたり抜かれたりしている人が自分より早い人なのか、遅い人な のかが判らなくなってきます。ま、だいたいは走っている勢いで見 当がつくのですが。

走り始めて20kmぐらいまではまだそれほど暑くなくてまずまずでし たが、10時過ぎ頃からは暑くなってきました。
予報では気温が26度まで上がるとのことでしたが、実際にはもっ と上がったようでした。
止めどなく汗が流れ、体力の消耗がどんどんと実感されます。
下流に向かっているときは向かい風なので、抵抗はあるのですが 結構涼しく感じます。
ところが折り返して上流に向かうと、とたんに風がなくなってしまい ます。ちょうど私が走る速さの追い風なのでした。体感的には無風 状態です。
これは暑い! 向かい風でもかまわないから風がある方がいい っ!

河川敷のあちらこちらで若い人たちのグループや家族連れがバ ーベキューをしています。
焼き肉の良い匂いが流れてきますが、胃が疲れているせいか、そ れほど羨ましい気持ちにはなりません。
羨ましいのはビールです。ここで冷えたビールをぐっと飲んだら美 味しいだろうなあ、とからからになった唇をなめ回します。
エイドには、水分の他に、スライス・レモン、オレンジ、バナナ、小さ なあんパン、梅干し、塩、ゼリー、飴、黒砂糖などが置いてありま した。
後半になるとおにぎりも置いてありました。カロリー補給には十分 です。

だいたい5kmを30分から35分ぐらいで周回をしていたのですが、 20kmを過ぎたあたりから、がくんと疲れてきました。力が抜けてい きます。
こりゃ熱中症になってしまうぞ、と自らの体を案じはじめました(体 にやさしい私です、自分に甘い私です)。
ついに、もうこれ以上は走れない、30kmを走り終えたら少し休憩し よう、まだ制限時間までは十分あるのだし、なんだったら30分ぐら い仮眠をとって、それからあと10kmだけ走って今日は終わりにし よう、と考え始めました。

そう思いながら30kmを走り終えたら、すでに3時間45分になってい ました。やれやれ。
休憩する前に、と、スポーツドリンクを飲み、オレンジをむさぼり食 べて、もちろん塩もなめて、頭から水を何倍もかぶって体を冷やし ます。
すると、このままもう10km走ってしまおうかな、という気持ちになっ てきました。
よし、行ってしまおう、なんとかなるだろう。

よろよろと走り始めます。しかし、そんなに甘くはありませんでし た。
2kmほど走った地点でめまいに襲われました。少し吐き気もしてき ます。
こりゃ、いかん、本当に倒れてしまうぞ、と思い、河原の所々に生 えている木立の根本にへたへたと座り込みました。帽子を脱ぎ、 靴も靴下も脱いで、汗を拭きます。
こうして木陰で休んでいると風も吹いてきて生き返る心地です。
ゆっくりと走るランナーが次々と目の前を通りすぎていきます。休 んでいる私を羨ましそうに眺めて走りすぎる気がするのは錯覚で しょうか。

5分ほど休んでいると気分が落ちついてきました。
またよろよろと走り始めます。とにかく次のエイドまで。
このあたりで赤たすきを着けたランナーに抜かれました。60kmを 走り終えて最終周回に入ったランナーは赤たすきを着けるので す。すごい、あの人はもうそんなに走ってきたのかと尊敬の眼差し で見送ります。

3.5kmエイドでとにかく水分補給と水をかぶって体を冷やします。 体を冷やすと少しだけ元気が戻る気がします。
折り返してきて5.3kmでふたたびエイドへたどり着きます。また水を かぶります。
あと5km足らず、なんとか40kmは走ろうとしましたが、7km地点で まためまいに襲われました。また木陰を見つけてへたへたと座り 込んでの休憩です。
男性の特権で、Tシャツも胸元までまくり上げて素肌を風にあてま す。ああ、生き返るなあ。
5分間の休憩で立ち上がります。

やがてスタート地点が見えてきました。
ここを過ぎればあと1.2kmです。もうこのあたりでは歩いては走り、 また少し歩いては走り、の繰り返しでした。
なんとか第2折り返しを回ってきて、やっと戻ってきました。
本部テントで、ゼッケン**、40kmでリタイアです、と自己申告をし て私のユリカモメは終わりました。

荷物置き場ではもうかなりの人が休んでいました。今日の暑さで 40kmで走り止めた人が多いのでしょう。
汗を拭いてとりあえずの着替えをして、そのままビニールシートの 上に倒れ込んで仮眠をとりました。
30分ほど休んでから近くの銭湯へ。今日は特別に2時半から営業 開始しているとのことでした。

トイレに行っても尿がほとんど出ません。やっぱり脱水だあ、と、駅 前にでて遅い昼食をとりながら生ビールの中ジョッキを2杯飲みま した。私の普段のビールの適量は中ジョッキ1杯なのですが、今日 はとにかく喉がからからでぐぐっと飲んでしまいました。やっと生き 返ったぜぃ。
それにしても、足は全然痛くなっていないのに体力の無さが情け ないなあ、来月の「しまなみ」に課題を残しての帰宅でした。

追記:後日、大会記録を確認すると、全体での完走率は38%、60 歳以上男性の完走率は12%だったとのことでした。やはり暑さが 厳しかったせいでしょう。



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