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昨日は春一番が強かったが、今日もかなりの風が吹いていま
す。
今日の大会は、江戸時代の旧宿場町の中を走り抜けるのが特
徴です。高梁川を西へ渡って、家からのんびりと車を走らせても、
40分で会場についてしまいました。
この大会には、3kmの若様コースから、5kmのお姫様コース、
10kmの大名コース、それにハーフの飛脚コースがあります。その
ほかに奉行コースというのがあって、これはウォーキングとのこ
と。参加者は全部で1900人で、会場の矢掛運動公園もこじんまり
としています。
ハーフの参加申し込みは280人前後。制限時間は2時間ちょうど
と、私にとってはかなりのプレッシャーです。それでも、小豆島や
蒜山高原の大会に比べれば、コースがおおむね平坦なことがうれ
しいのです。
服装も迷った挙句、ロングのTシャツ、タイツの上にNBのランシャ
ツ・ランパンにしましたが、これでも風が吹き付けると結構寒い。
スタート地点でガタガタしていると、「磯村さんですか」と声を掛け
られました。インターネットでお互いのゼッケン番号を教えあって
いたHさんでした。岡山から参加のHさんは、先日の丸亀ハーフマ
ラソンは1時間25分前後だったとのこと、うへぇ、早い! しばらく
話をした後、どうぞとHさんにはスタート地点の前の方に行ってもら
いました。当然、私は後ろの方で控えます。
10時にスタート。運動公園からかなりの坂をいっせいに駆け下り
ます。あれれ、周りにつられて、始めからこんなに頑張ってしまっ
てよいのかな、というスピードで入ってしまったぞ。大体がハーフ
の制限時間が2時間だから、当然それ以上の脚力の持ち主しか
参加していないわけで、いつもの私のペースでは追いつかないわ
けだ。ええい、こうなったら行けるところまで行ってやれ、と、自分
の中ではかなりの無理をして周りについて行くことにしました。
コースは、まず矢掛川に沿って旧宿場町からいったん離れ、10
kmあまりを周ってきて、スタート地点の南のほうを通り、それから
旧宿場町を走り抜けてゴールへ戻るという、周回コースです。
川原で枯れた雑草を燃やしており、その煙が流れてきて目に染
みます。おまけに時々灰も飛んできているぞ。でも、まあ、これも
気が紛れるか。私は必死だぞ。5km通過が26分、私としては十分
なタイムです。このままで行けば1時間50分が狙えるかな?
実は、1週間前に新しいジョギング・シューズを買い、数回の練習
で使ってみたのですが、これが今までのものよりも軽い感じで良
いのです。今日は大会で始めて履いてみました。新しいシューズ
のせいか、今日は足が軽いぞ。
やがて、ゆるい峠道に差し掛かりました。曲がりながら登る途中
で下を振り返ってみると、私の後ろにも未だ結構いらっしゃるでは
ありませんか。よしよし。
峠を下り畑の中ののんびりとした、いわゆる里山の風景の中を
走ります。このあたりでは風は穏やかな追い風、道もやや下りと、
気持ちよく走れます。10km地点を52分で過ぎて、う〜む、本当に
今日は調子がいいぞ。
やがて、いよいよ宿場町にさしかかりました。両側に江戸時代か
らの建物が残った曲がりくねった道を走ります。この辺りは応援の
人も多く、励まされます。今日は自分でもかなり良い感じで来てい
るので、なおさら気分も上々です。
とある街角を曲がった途端に、「磯村さ〜ん、頑張って!」と声が
かかりました。誰にも教えていないのに誰だろうと振り返ると、この
宿場町に住んでいる妻の友人でした。後で聞くと、「かなり良い位
置につけていましたよ」と、早速妻に電話が入ったとのこと、悪い
ことはできません。
宿場町の町並みももう少しで終わるというときに、前方から、また
もや、「磯村さ〜ん、頑張って!」と声がかかりました。あれ、と思
ってみると以前の職場の同僚でした。大きく手を振ってくれていま
す。手を振って応えながら走り抜けたあとも、後ろから、「磯村さ〜
ん、あと5kmよぉ!がんばってぇ!」と大きな声で叫んでくれまし
た。うれしいやら、少し恥ずかしいやら。
15km地点を1時間18分で通過、ここまではほぼイーブン・ペー
スで来ることができました。
さらに少し進んで、さて、問題はここからでした。ぐるっと道を曲
がった途端に向かい風に変わり、それもかなりの強さです。こりゃ
まいったぞ。前を行く大柄な人を見つけて、その背中に隠れるよう
にして走ります。ところがその方もかなりのペースダウン、仕方が
なく追い抜いて独り旅で走ります。思わず頭の中に流れる歌声は
「風の中の銀河、・・・みんな、どこへ行ってしまった?・・・」
おまけに最後の峠越えです。なんとかペースを落とさずに頑張
ろうとします。残り2km地点で1時間41分。ということは、この4km
には23分かかったということになります。ま、これぐらいのダウンは
致し方ないか、しかし、このままでは1時間50分には届かない
か・・・。
残り1km地点で1時間46分。 これは苦しい。風はいよいよ強
く、残り4分では不可能となりました。
最初に駆け下りた坂をなんとか駆け上がり、運動公園へ。宿場
町で声を掛けてくれた元同僚が待っていてくれて、「あと少しよ
〜!」と励ましてくれました。ついにゴール!、タイムは1時間51分
でした。う〜む、一応自己ベストだ。
とっくにゴールしていたHさんが、「余裕の2時間切りでしたね」と
声をかけてくれました。感謝感謝。
そこへ元同僚もやってきて、「うわぁ、磯村さんが走るなんて知り
ませんでした。知っていたら大応援団をつれてくるのに」。・・・そう
言ってくれるのはとても嬉しいけれど、いえいえ、私はひっそりと走
っているのですよ。
帰途、少し廻り道をして健康ランドの露天風呂へ。ひんやりとし
た肌寒い風が吹き抜けて顔を冷やします、そして身体は温かい温
泉につかり、空を流れる雲を眺めています。至福のひと時、ただ
車で来たので、家に着くまでビールが飲めないなあ、ぶつぶつ。
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