タートル・ランナーの独り言 2001

 中学生時代から体育会系の行事はことごとく忌避していた私 が、月に1〜2回のジョギングを始めたのは5年ほど前のことです。 それまで運動とは全く無縁だったわけですから、はじめて5kmの種 目に出場したときは、妻は、「辛くなったら決して無理をしないよう に」と、私の心臓麻痺を本気で心配していました。
 その後、ジョギングの頻度も週に1〜2度となり、少しは長い距離 が走れるようになりました。

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その1「吉備路マラソン・20kmの部」

 昨日は、12月のホノルル・マラソン以来のはじめてのマラソン大 会参加でした。
 ランニング・シャツの上にホノルル・マラソン完走Tシャツを着て 走ったのですが(こうするとTシャツに汗がくっつかないので、寒い ときはこの流儀にしています)、5km地点で横を走っていたおじさ んが、オレンジ色の特徴のあるTシャツを見て、「ホノルルへ行って 来たんかな。」と話しかけてきました(おおっ、全くの岡山弁だ)。そ のおじさんもホノルルで走ってきたそうで、4時間台前半での完走 者らしい。私よりは大分力量が上だな・・・。

 給水ポイントで一時はぐれたのですが、やがて数m前を行くおじ さんを発見。ペースを引っ張ってもらおうと、密かにおじさんの5m 後をついて走りました。おかげで10km地点の通過タイムは目標よ り3分も早い。おまけに、調子に乗って、その直後におじさんを抜く という愚挙にでてしまいました。
 しかし、力量の差はいかんともし難く、15km地点でおじさんに再 び抜かされ、もうついて行けませんでした。離れていく見知らぬお じさんの後姿・・・、あーあ・・・。

 それでも20kmの完走タイムは、目標よりも4分早い1時間46分と いう自分では大満足の結果でした。見知らぬおじさん、有難う!
 それにしても、17km地点から競っていたタンクトップ姿のおねえ さんに、ゴール前の直線であっさり抜かれたのは悔しいなあ (笑)。

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その2「皇居周回ジョギング」

 東京に出張すると、会議に出かける前に皇居周回ジョギングを するのが楽しみです。日曜日の朝などは、びっくりするほどたくさ んの人が走っています。
 皇居1周はおおよそ5kmですが、はじめは左回りに1周(大体、左 回りで走っている人が多い)、次に右回りに1周、これで10km。こう やって走ると、周回と言うよりは折り返しコースのようで、景色も違 って見えるので飽きません。
 お上りさんですから、ああ、東京駅だ、ああ、二重橋だとか思い ながら走っています。

 反対回りをしている人たちとは周回の途中ですれ違うわけです が、派手なTシャツを着た70歳ぐらいのおじいさんと、三分の一周 を少し過ぎたあたりでもうすれ違ってしまいました。
 えっ、あのおじいさんはもう三分の二周近くを走ってきたの・・・?
 私は1km6分ぐらいのペースですから、なんと1km3分余りの猛ス ピードで走っていると言うことになるぜ!

 思わず振り返って見ると、Tシャツの背中には「フルマラソン50回 完走!」と大書してあるではありませんか! いやあ、恐れ入りま した。

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その3「小豆島オリ−ブマラソン・ハーフ(21.1km)の部」

 暑さに負けて、いつも途中で気弱になる自分に檄をいれようと、 ある人に「目標:2時間以内での完走」を宣言してしまったものだか ら、結構プレッシャーになっていて、スタート直後から、これでは始 めからとばしすぎだよなあ、という感じになってしまいました。

 途中から坪井栄の小説「二十四の瞳」で有名な岬のはずれの分 校を往復するコースに入るのですが、海岸線の上り下りが3回あり ます(往復で6回、あたりまえや)。これが辛い。ここで失速! この ままではいかん、目標達成が出来ない!
 ひょいひょいというフォームで横を走っていたおじさんが、「去年 は1時間57分で完走した」と、走りながら仲間と話しているのを聞き つけ、それなら、このおじさんについて行ければOKかと思いきや、 あれぇ、ついていけないっ! 待ってくれいっ!

 11.1kmの地点ですでに1時間2分が経過、ゴールまでの残り 10kmで残り時間は58分。うーむ、失速の度合いを考えると、目標 達成にはぎりぎりのペース。

 目標達成の報告をしなければ、との意地でなんとかペースを保 ち、結局ひょいひょいのおじさんも途中で抜いて、1時間59分でゴ オールッ!(参加者2000人なので、スタート地点通過までに1分程 度のロスタイムがあり、正味時間はもう少し短いんですよ、念のた め)。この大会での自己新を樹立しました(ぱちぱちぱち←自分で 手を叩く音)。
 いやあ、今日は太ももが階段の昇降時に重い。

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その4「私の美点・真夏のLSD(Long Slow Distance)」

 昨日の夏休みの1日は久しぶりにLSDを行おうと、腰には給水 ボトル、耳にはMP3携帯プレーヤーという完全装備で家を出まし た。

 家を起点に自分で設定してある23kmコースを走り始めたのです が、なにせ暑い。サングラスが汗で曇り、流れ込む汗で目が痛 い。そのうちに頭がぼーっとしてきました。これはどう考えても脱水 を起こしかけている、このままでは熱中症で倒れてしまう。という わけで、あっさりと途中から10kmコースに変更しました。
 ところがそれでも辛い。結局、8km地点からは歩いて帰宅しまし た。決して無理をしないのが私の美点です(笑)。

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その5「蒜山マラソン・ハーフ(21.1km)の部」

 なんとか2時間以内でと思っているこのコース、放牧場や別荘を 横に見ながらの高原地帯の往復コースで、行きに100m登り、帰り に100m下ります。1km5分40秒で最後まで押せれば目標達成なの ですが・・・。

 今日は暑いぞ。
 入りの1kmは5分35秒、おおっ、計算どおりではないか。
 ・・・しかし、良かったのは始めの1kmだけ。その後のだらだらと続 く登り勾配で次第にペースダウン、どうしても1km6分のペースから 上げられない。

 結局折り返しでは1時間3分という不本意なタイム。
 おまけに、すでに足はがくがく。この時点で、目標をあっさりと2 時間5分に下方修正、決して無理をしないのが私の美点です (笑)。
 とは言うものの、昨年のこの大会の自己記録を下回ることが決 定的となったことで意気消沈、ああ、空はこんなに青いのに、あ あ、風はこんなに爽やかなのに、何故わたしはこんなに不幸なの だろうと落ち込む自分を、なんとか自ら慰めながら、とぼとぼと走り 続けました。
 スタート直後から数kmを併走した黄色いランニング・シャツのお じさんに15km辺りで追いつき、そこからは前になり、後になり競っ たおかげで歩き始めてしまうこともなく、どうにか最後まで持ちこた えました。

 えっ、ゴール・タイム? ・・・・2時間4分でした。
 ちなみに黄色いランシャツのおじさんには、19km地点で一度は 振りきったのに、運動場に入ってからの200mで追い越されました (泣)。



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