ダメだったMt六甲トレイルラン 2019


真夏の六甲山でおこなわれるトレイルランに参加してきた。
しかし、暑さに負けての不甲斐ないリタイアという結果だった。

この大会は、神戸森林植物園をスタートして、六甲摩耶縦走コー スをメインとした28km。制限時間は7時間。
5km1時間でも余裕でゴールできてしまうではないか。こりゃいける でしょ。
しかし、この日の神戸の気温は34度まで上がるとのことだった。

正直なところ、この気象条件は不安だった。
妻にも事前に、今回はもう止めておこうかなと相談したほど。妻の 返事は、そうねえ・・・だった(苦笑)。
唯一の救いは山中は少し涼しくて32度ぐらいまでしか上がらない だろうということだった。

とにかくスポーツドリンク1Lあまり、塩、カロリー補給食をバックに 入れてスタートした。
参加者は400人あまりだった。
始めのもくろみは、ゆっくりと行っても1km9分から10分でいければ 十分に時間内ゴールできるだろう、というものだった。

始めの平坦な1kmは6分半ぐらい。こりゃ余裕じゃん。
ところが次第に勾配が強くなってきた。あれ? 
あっというまに1kmに10分かかるようになってしまった。

先日の東海マラニックのコースに勝るとも劣らない急勾配の上り が続く。
汗も半端ではない。山中なのでほとんどが木陰で直射の日差しが ないことが何よりの救い。
これでもう少し風が吹いてくれればなあ。

第1エイド5kmに到着したのは50分後だった。
えっ、こんなにかかった?

しかしこれはまだ序の口だった。本当の怖ろしさはここからだっ た。
実はここから次の5kmでは、この距離で約400mを上らなくてはな らないのだ。これはかなりの急勾配だろうなあ。
岩場を手を使ってよじ登り、延々と続く木組み階段を上る。
噴き出る汗は半端ではない。息も上がる。足を止めては水分補給 して塩をなめる。
もう止めようかなあ・・・。

やっと辿り着いた9km地点の第2エイドは摩耶ロープウエイの終点 近くだった。
こんなに高いところまで来たのかよ・・・。
このたった4kmには2時間近くがかかっていた。うへえ。

おお、自販機があるではないか。濃厚オレンジ・カルピスを飲む。 美味い。
このエイドは広場の片隅にあり、広場では沢山の人が休憩してい た。
てっきり大会の参加者もゆっくり休憩しているのだろうと思って、こ ちらもリュックを下ろしてしまったのだが、実は大部分は一般のハ イカーだったのだ。
大会参加者はそんなにのんびりとはしていなかったのだ。甘かっ た。

しかし、ここでリタイアする人も居るようだった。
スタッフが、車が来たら案内しますから声の届くところにいてくださ い、と叫んでいる。
しばらく休憩して出発しようとすると、スタッフには、次行かれます か、頑張ってください、と声をかけられる。

しかし第2エイドを出てまたまた続く上り下りに、すぐに気持ちが折 れてしまった。
足に疲れはあるのだが、まだ痛みはない。しかし、体力の消耗が 強いのがわかる。
それに、すぐ後ろにいた元気そうな人に道を譲ろうとしたのだが、 なぜか前に行かない。
どうしてだろうと思っていたら、実はその人はスイーパーだったの だ。がーん。
私が最終ランナーかよ。こりゃ次の関門で引っかかるよなあ。

完全に気持ちが折れる。
ああ、次のエイドまでいったら、今日はもうリタイアだ・・・。

第3エイドがコースのちょうど中間点の14km地点。
次までいったらもう終われるぞ、という(情けない)決断だけを自分 への励ましにしている。
少し足を引きずった人と前後しながら上り下りを進む。

やがて六甲ドライブウェイにでる。なんとか走りはじめると、もうひ とりの人も走りはじめる。
意地で走り続けているとその人はうしろに見えなくなっていった。
最後から2番目か・・・。

次の5kmには1時間10分がかかって、第3エイドにはスタートして約 4時間後の到着だった。
ここでリタイアしますとスタッフに告げると、まだ関門時間は大丈夫 ですよ、少し休んでから決めてもいいですよ、との優しい言葉。
えっ、関門は何時です? あと1時間ありますよ。
中間地点で5時間なんて、なんて甘い関門なんだ。

でも、やはりもう駄目だなあ。
後は下り基調だよ、という言葉に騙されてもう少し頑張るか、と走 り出していく人がいた。
私が置いてきた最後の人は到着してしばらく休んでいたが、回復 したので行きますと走りはじめていった。
すごい根性だなあ。

そこでリタイアする人たち3人とと一緒に車で森林公園に送っても らった。
途中の六甲ドラブウェイと重なるコースでは、ゴールに向かってい るランナーを追い越していく。
ああ、かってしまなみウルトラでリタイアして路線バスでゴールに 向かったときと一緒だな、とあらためて不甲斐なかった今日の自 分を振り返る。
しかし、もうがんばれなかったなあ・・・。

大会広場の出店でかき氷を食べ、のろのろと着替えをしていると、 次々とゴールするランナーがいる。
ああ、ちゃんと完走した人がこんなにもいるんだ。それに引き替 え、自分は何と情けないことか・・・。

ぐったりと木陰で風に吹かれてから神戸のホテルへ引き上げてき た。
GPSの記録による(距離は14kmしかないのに)累積標高差は 1062mだった。急勾配だったんだなあ。
風呂に入ってビールを飲んで、爆睡だった。



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