リベンジしまなみ ・ 2007

1.スタート 
 さあ、去年は80km地点で「涙のリタイア」をした「しまなみ海道 100kmウルトラ遠足(とおあし)」です。 
 前日に仕事を終えて急いで福山へやってきました。駅前のビジ ネスホテルに宿を取り、ビールと共に早い夕食をとり10時に就寝 しまし た。 

 午前3時に起床。よく眠れました。おにぎり2個を食べて部屋を出 ます。4時過ぎ、ロビーには同じような格好のチェッ クアウトの人 が何人もいます。 
 受付で中間地点行きとゴール行きの荷物を預けます。四万十川 ウルトラとは違って、もうここへは戻ってきませんから、荷物は全 部運ん でもらわないといけないのです。 

 スタートは福山城です。今年の参加は1100人ぐらいでした。毎年 少しずつ増えているようです。 
 主催者の海宝さんが大会の注意などを叫んでいます。60kmと 90kmはちょうど橋の 上なので距離表示板がないですよぉ。街中 の早朝なのでマイクの使用を控えているようです。

 すっかり明るくなった午前5時にスタートです。いっせいに福山城 からの石段を下りて、まだ車も少ない国道を一路尾道へ向かい  ます。 

2.尾道まで〜20km 
 福山から尾道までの20kmは普通の国道を走ります。側道があ る部分では横にそれますが、大型トラックが走るトンネルを5つほ ど抜け なくてはなりません。このあたりは岡山で普段走っている LSDと変わらんなあ。 

 机上のアバウトな計算としては、今年は前半1/3ぐらいまでは 5km35分ぐらいで行こ うと思っていました。それにエイドでの休憩 が加わって、40kmを5時間ぐらいで通過する。そのあとは疲れが 出てくるから5km45分に落ちるだろう、すると60km地点通過の目 標が8時間ということになります。 
 そこまでいければ、残りの40kmに8時間残せますから、あとは 5km60分でいいとい うことになります。この通りに行けば、こりゃ、 楽勝でしょう。しかし、こんなに上手くいくわけはないよなあ。 

 この大会のエイドは約5km毎に19ヶ所あります。高速道路でいえ ば、パーキングエリアみたいな簡易なところから、サービスエリア のような大がかりなところまであります。 5km、10kmはまだ簡単 なエイドで、水分を補給してすぐに走ります。15kmエイドにはぶっ かけうどんがありましたが、未だいいやと、そのまま通り過ぎま す。 

 だいたいが、去年は慎重を期して各エイドで食糧補給をしすぎま した。ウルトラではとにかく食べないと駄目だよ、と、どの完走記に も書いてあります。エネルギーが不足して走れなくなりました、とい う書き込みもよく読みました。 
 で、とにかく食べなくてはいけないと思っていたのです。そのため にエイドのたびに 時間もとってしまっていました。しかし、考えてみ れば、私は普段から低血糖状態で仕事をし続けていました。たと えば朝食にトースト1枚とコーヒーをとり、あとは飲まず食わずで夜 の10時までとか。私は、たぶん、そんなに食べなくても大丈夫な体 質なのでしょう・・・・? 

 ある広場では、6時半からのラジオ体操の準備をしているお年寄 りたちが何人か集まり始めていました。去年はこの場所を通りか かったときには、もう体操をしていましたから、今年の方が少し早く 通過したことになります。(2回目になるとこんな比較もできます) 

 見えてきました、しまなみ海道の最初の尾道大橋です。はるか 頭上にあり、橋の上を歩いている人の姿が小さく見えます。あん なところまで登るんだよなあ。 
 橋の手前が20km地点です。時間は2時間25分と、当初の目論見 の5分遅れです。まあ、許容範囲内です。 

3.向島へ 
 エイドで水分補給をしてから橋への取りつけの階段、坂道をの ぼります。まだ足は元気なものです。 
 狭い歩道がある旧橋を渡ります。この橋は、支える綱が歩道に 張られているものだから体を横にしないと歩けないほどの狭さで す。尾道大橋は2本あるのですが、新しい尾道大橋には歩道があ りません。ですから自転車などは舟でわたって下さいということに なっています。(大林宣彦の映画「ふたり」は尾道が舞台で、主人 公が向島に自転車を渡船に載 せて渡ったりしています。) 

 最初の島、向島を走ります。
 自転車を押したおじさんが、今治には何時頃に着くんかな?と話 しかけてきました。通り過ぎたランナーに今治まで走っていること を聞いたのでしょう。さあ、何時になるか・・・、夜の9時までには着 きたいんですけどね・・・と叫んで通り過ぎます。傍らを走っていた 女性が、ぷぷーっと笑います。 

この大会では、食料や水分はすべてエイドに頼って大丈夫です。 特別なエイドではおにぎりや、そうめん、などもありますが、それ以 外のエイドでも、 カステラやお饅頭、飴、チョコレート、フルーツゼ リーなどが置いてあります。それにこの大会では果物が豊富に置 いてあります。バナナ、スイカ、オレンジ、グ レープフルーツ、レモ ンなどなど。
 ですから、今回のウエストポーチにはほとんど何も入っていませ ん。絆創膏、コー ス図、ティッシュ、それぐらいです。ジョギング・パ ンツのポケットには、全財産を入れた財布(リタイアしたときのバス 代!・・・)、アスリート・ソルト、ハンカチ、それに腰に汗拭き用の手 ぬぐいをぶらさ げています。 
 手ぬぐいは、四万十川ウルトラのときに、こんなもん欲しゅうはな いやろけど、と言 って収容バスのおじさんが渡してくれた、あのリ タイア・タオルです。今回はリタイア しないぞと、汗を拭くたびに誓 いを新たにするのです(笑)。 

4.因島へ〜40km 
 因島大橋への上り階段は半端ではありません。高い高い橋まで 延々と続きます。 膝ががくがくしてきます。 
 登りきると、因島大橋は車道と遊歩道が2階建て構造になって いて、日陰になります。 去年は日陰でほっとしたものでしたが、今 年は曇り空でそれほど暑くないために、 かえって見晴らしが悪い なあ、と不満に思うぐらいでした。勝手なものです。 

 因島へ降りて、大きなエイドの一つ、因島アメニティ交流館の 35kmエイドに着きまし た。広い芝生があり、和太鼓がどんどんと 鳴っています。ここはオレンジの生絞りジュースで歓迎してくれま す。2つに切ったオレンジを何個か使って機械でぎゅーっと押して 絞り出してくれるのです。もう完全に100%天然ジュースです。この 美味しいことといったら。お代わりの人は前の列ですよ、と係りの 人が叫んでいます。もちろん、お代わりをしました。それにしても、 1000人分のジュースを絞るのですから、ボランティアの方々には 頭が下がります。 

 さて、生口橋が見えてくる手前で40km。時間はちょうど5時間で す。おお、予定通りではないか。ちなみに、去年よりは20数分早い 通過です。 

5.生口島へ〜中間地点 
 かなり暑くなってきました。たしかこの辺りでしばらくだけ陽が照 りました。うへえ、いよいよ暑くなるのか、と心配したのですが、幸 いなことにまた曇ってくれま した。 
 しかし、とめどなく汗が流れます。腰の手ぬぐいでひっきりなしに 汗を拭きます。かなりまぶしいのでサングラスをかけたいのです が、すると目の回りに風が当たらなくなって、目に流れ込む汗が増 えてしまうのです。この汗を放置していると、塩が目にしみて、目 が痛くなってきます。普段から眼鏡をかけている人は大変なのだ な、と、妙なことに感心します。 
 このあたりでの5kmには、約40分がかかるようになってきていま す。 

 大きなエイドの2つ目は、生口島にある中間地点・50kmの海洋セ ンター・エイドです。到着時間は、去年より30分早い6時間半と、ま ずは予定通りです。 
 預けてあった荷物を受け取り、やれやれという感じで、芝生に陣 取ってしばしの休息です。新しいTシャツを取り出して、ゼッケンを 付け替えます。靴下を取り替えます。汗でぐしょぐしょだったのが 気分一新です。 

 休憩をもっと短く切り上げるつもりだったのですが、エイドのおば さんが、おにぎり があるのはこのエイドだけだよ、と叫んでいるの で、ついおにぎりを食べたりしていて、エイドで20分も休んでしまい ました。 
 中間点出発が6時間50分。 

6.大三島へ 
 さあ、ここからの10kmが勝負だと思っていました。去年は2時間 がかかっています。今年は1時間半ぐらいで行きたいな、と考えて います。 
 しかし、フル・マラソンの距離を過ぎて、足が重くなってきていま す。一歩動かす毎 に太股には錐を指すような痛みがあります。一 度立ち止まると、再度走りはじめるには、痛みを覚悟するかなりの 決意を要するようになってきました。歩きたい、立ち止まりたい、と の誘惑に必死に抵抗します。あきりん、さあ、ここで根性を見せ ろ、と自分自身に檄を飛ばします。さあ、ここで 根性を見せろ! 

 60kmはちょうど多々良大橋の途中になります。およそこの辺だ ろうとの見当でタイムを見ると、8時間10分ぐらいでした。四万十 川 60kmが8時間6分でしたから、ほぼ同じタイムです。
 50kmからの10kmはなんとか1時間半でカバーできました。でかし たぞ。これで残りの40kmに7時間50分が残せたことになります。気 持ち的に少し余裕ができました。 

 橋の上をレンタサイクルが何台も通り過ぎていきます。しかし、 乗っている人たちの格好はどうみてもランナー姿です、Tシャツに ランニン グ・キャップ、ジョギングパンツ、ラン・シューズにウエスト ポーチ・・・。そうか、リタイアした人たちがゼッケンを外してレンタサ イクルで今治へ向かっているのか。 
 どんな気持ちだろうか、と思います。去年のリタイアの無念さが 思い出されます。でも、あれって、その時よりもあとになるほど悔し くなってくるんだよね。今はただほっとした気持ちかも知れませ ん。 

 道ばたの自販機で冷えたコーラのミニ缶を買いました。疲れてく ると炭酸が妙に欲しくなるのです。それに、とにかく暑いので、冷 たいペットボトルで額や頬、首筋、二の腕を順番に冷やします。気 持ちい〜い。 
 今回はエイドでの水分補給のほかに、コーラ2缶、オレンジジュ ース1缶、フルーツ ジュース1本を自販機で買いました。甘い飲み 物も欲しくなります。 

7.伯方島〜70km 
 大歓迎で有名な70kmの大きな伯方島SCパークのエイドまで来 ました。入り口で誘導してくれたのは3人組になった高校生です。 お疲れさまです、と声をかけてくれて、次々とハイタッチをしまし た。 
 今年も到着した人の名前を一人一人マイクで読み上げてくれて います。岡山から参加のあきりんさんで〜す。よ〜こそ。 

 このエイドにはトレーナーがいて、希望者にはマッサージをしてく れます。去年は到着が遅かったせいか、待ち時間無しでしたが、 今年はさすがに列ができています。時間が気になりましたが、去 年の気持ちよさが忘れられずに列に並びます。 
 ああ、やっぱり気持ちが良い! ふくらはぎと太股を重点的にし てもらいました。それと、自分では気がついていなかったのです が、肩が気持ちよかったですね。知らない間に肩に力が入ってい たのでしょう。 
 手作りそうめんもいただきました。結局ここでは15分ほどの休憩 でした。 
 エイドの広場からの出口では、今度は3人組の女子高生が、頑 張って下さい、とハイタッチをしてくれました。 

 エイドを出てすぐに伯方大島大橋へ上がります。この橋の登り口 にはおばあさんが一人いて、一人一人に握手をして励ましてくれ ます。去年も、もうひとがんばりよ、と応援してくれました。今年も、 頑張って、と手をしっ かりと握ってくれました。ありがとうございま す。 

8.大島へ〜80km 
 四国へ渡る最後の島、大島へやってきました。このあたりでは、 エイド休憩も入れると、もう5kmに50分から55分がかかるようにな ってきました。 
 いつもならなんでもない5kmの距離なのに、やっぱり今日はもう 辛い。次の5kmの表示が待ち遠しくてたまりません。次の岬を曲が ったら表示が見えるかな? あれ、まだ見えない、次の角を曲がっ たら表示が見えるかな? あれ、まだ見えない・・・。 

 バラ公園の中にある大きな80kmエイドに来ました。そうです、去 年、無念のリタイアをした想い出のエイドです。時間は11時間50分 あまりと、去年に比べて1時間以上早い到着です。 
 隣で休憩していた人は萩往還のTシャツを着ていました。同じ萩 往還の文字の私のシャツを見て、あなたも萩往還を走ったのです か? と 話しかけてきました。これは昨年のです、Cコースですけ ど。ああ、そうですか。私は今年140kmが完踏できたので勢いでし まなみも申し込んじ ゃったけれど、暑いですね。こりゃばてるわ。 

 名物のソフトクリームが美味しそうだったのですが、口の中がべ たつくとイヤだなと 思って我慢しました。 

 さあ、今年はここから先も行くぞっ!と、立ち上がります。 

9.未知の距離へ 
 ついに80kmを過ぎて、私にとっては未知の距離に踏み込みまし た。もう太股は1歩ごとに悲鳴を上げています。それでもなんとか 走ります。 
 去年のウルトラ関係の掲示板で、制限時間を1分オーバーで完 走した人の書き込みがあったのです。1分でも過ぎると完走証はも らえません。残念だったでしょう。きっとその方は、最後の最後まで 時計を気にしながら必死に頑張ったのだと思います。でも、制限 時間をどうしても過ぎてしまったら、やっぱり辛いだろうな、もう少し 手前のときにもう少しだけ頑張っていたら時間内完走だったのに、 と悔やむだろうな、と考えてしまうのです。 

 辛い。歩き出したくなるのを必死に我慢します。この80kmからの 6kmが今回で一番辛いところでした。 
 一生に一度だけの100kmウルトラ完走でもいい、あきりん、さあ、 ここで根性を見せ ろ! と、また自分で自分に檄をとばします。さ あ、ここで根性を見せろ! 
 なんとかよろよろと走り続けます。 

 やっと86kmの来島大橋へのぼる手前のエイドへたどり着きまし た。 
 福岡から来たというおじさんとの会話。 このペースで間に合いま すかね? エイドであまり時間を取られなければ行けるでしょう。 
 傍らにいた女性が、橋へ上がるところは歩いたらいいし、橋を渡 りきれば残りは10kmを切っているか ら、もう行けますよ、と明るく 声をかけてくれました。うむ、励まされるなあ。 

 ここで、制限時間はともかくとしてゴールまでは行ける、とにかく 100kmは踏破でき る、と確信しました。 

10.来島大橋にて 
 橋への長い取りつけのスロープをのぼって、あこがれだった来 島大橋の上にでました。
瀬戸内の多島美が目の前に広がって、雄大な景色です。太陽が 西へかたむきか けています。 
 隣にいた福岡のおじさんが、おお、きれいですね、と思わず声を かけてきます。すると、ちょうど近くにいた若い2人連れの女性が、 本当に!1日こうやって好きなことをやって、最後にこんなきれい な景色を見れるん だから最高! と応えます。 
 そうだ、去年はバスの中からむなしくこの景色を眺めたのだっ た、とあらためて思 います。
 雄大な景色につられて、ゆっくりとですが走りはじめます。夕方 になって少し涼しくなって、体が楽になってきたこともあります。あ こがれの来島大橋だ、走らないでどうするっ! 

 太陽が沈みきるまでにはまだ少し時間があります。 
 この大会のリタイアと完走の両方の経験を持つSさんに言われ た言葉が思い出されます、来島大橋で日が沈むのを見てしまった ら、頑張らないと時間内完走は難しいよ。 
 なんとか日が沈む前に橋を渡りきろう、と頑張ります。しかしこの 橋は4km以上もあ るんだよなあ。 

 橋の途中で、「フルマラソン100走会」とロゴの入ったベストを着た おじさんが、今日は涼しくて走りやすかったね、と話しかけてきまし た。このおじさんとは加茂郷フルマラソンでよく一緒になります。い つも35kmぐらいまでは同じぐらいのスピードなのですが、そこから 先でおいていかれます(笑)。おじさんは、なんでも去年は暑さで 疲れ果てて制限時間の数分前にやっとの思いでゴールしたそうで した。 

 日が落ちる前に、日が落ちる前に・・・。なんとか日が落ちる前に 橋を渡りきりました。

11.四国へ 
 ついに四国です。 
 来島大橋を渡りきったところのエイドが92km、あと8kmまで来まし た。残り時間は1 時間40分あります。これは行けるでしょう。ここで 時間内完走を確信しました。 
 エイドにいた人たちも同じ思いですから声も弾みます。「100走 会」のおじさんが、ここで昼寝をしてももう間に合うよ、と冗談をと ばしています。 

 薄暗くなってきた四国路を走りはじめます。といっても、足はいよ いよ痛いし、張りつめていた気が緩んだせいもあって、ついに歩き が多くなってきました。 
 買い物風のおばさんが、走っている間の食事とかはどうする の?と、話しかけてきました。エイドという休憩所に飲み物や食事 が用意されているんです。へえ、食事も走りながら食べるの、そり ゃあ大変ね。おそらくTV中継されるマラソン大会の給水場面のイ メージがあるのでしょう。いえいえ、ウルトラ・マラソンでは立ち止 まって休憩するんですよと、訂正をしました。 

 最後の19番目エイドに来ました。表示板で残りの距離を確認し ていると、あと3.8kmですよ、とボランティアの人が教 えてくれま す。おお、なんと嬉しい言葉! 
 このエイドでも、もうみなにこにこしています。残り時間はまだ1時 間あります。もう ゆっくり歩いても間に合ってしまいます。 

12.ゴールへ 
 今治港まできました。去年、80kmエイドから乗った路線バスを降 りたところです。去年はここからゴール地点までの2kmを意気消沈 しながらとぼとぼと歩いたのでした。
 今年は違います。今年こそは歓声に迎えられながらゴールテー プを切るのです。 

 いよいよゴールまで2つ目の角へきました。赤信号で立ち止まっ ていると追いついてきた数人の人と一緒になりました。あと500m ですね。最後ぐらいは走りますか。そうですね。 
 皆痛い足を引きずって走りはじめます。 

 ゴールには明々と照明がされています。係員が、お帰りなさい、 と声をかけて誘導してくれます。人垣の中を念願のテープへ!  制限時間までは30分ほどが残っていました。 
 テープを切ると、主催者の海宝さんが、おめでとう、と握手をして くれました。2回目のチャレンジでやっとゴールできました、と言う と、それはよかった、本当におめでとう、と祝福してくれました。 
 海宝さんは制限時間が過ぎても最後のランナーが戻るまではゴ ールで待ち続けるとのことです。去年は午前0時近くまで待ってい たとのことでした。 

 ゴール会場ではいろいろなブースが並んでいます。今年のビー ルのなんと美味しかったことか。コース上での写真もゼッケン番号 別に並べて売っていました。去年は買う気分にもならなかったの ですが、今年はわりと格好良く映っているものを買いました。 
 「萩往還」のリベンジのゴール写真も宝物だけれど、今日の 100km完走の写真も、 それに負けず劣らずの宝物です。 

13.走り終えて 
 シャトルバスでホテルに戻り、疲れ果てた体をとにかく休めよう と、浴槽へ。 
 暖かい湯に筋肉がほぐれます。そのとき、両方の太股の筋肉が 烈しく痙攣しはじめてしまいました。痙攣が全身に広がってがくが くと震えます。数分間の痙攣が2回おこりました。おそらくは、長時 間働かせ続けられた筋肉が、リラックスしていいよと優しくされた のにとまどったのでしょう。やはり100kmの距離を動き続けるという のは、体にとってはとても過酷なことを強いているのだな、とあらた めて思いました。 

14.最後に 
 今年の完走率は75%とのことでした。去年が71%でしたから、や はり今年のほうが気温的に走りやすかったのでしょう。(それでも4 人に1人はリタイアしていることになります。) 

 本当に辛かったな、と思います。 
 80kmを過ぎて一番辛かった辺りでは、もう2度とウルトラは走ら ないぞ、なにがなん でも今日が最後のチャレンジや、と思いなが ら走っていました。 
 3日ほどして足の疲れも取れてきました。すると、あの、ただただ 長かった1日のことが愛おしく思えてくるのです。そして、達成感、 充実感があらためて沸いてきて、ひとりでに顔がほころんでくるの です。 
 誰が褒めてくれるというわけでもないんだけれどなあ。 

 あれ、ひょっとすると、来年も・・・?



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