淀川マラソン 2002

その1

 寒くなりそうとの天気予想に、何を着て走ろうかといろいろとシャ ツやパンツを鞄に詰め込みます。
 未だ暗い4時半起床。無事に6時5分の新幹線に乗り込み、ス ティーブ・キューンのCDを聴きながら大阪へ。高槻に出て、バスで 会場の枚方公園へ向かいます。2回目なので道順も順調です。
 会場に着いてみると、寒さは思っていたほどではなく、これなら 長袖やタイツは要らないかなという感じです。

 携帯電話で福岡から参加のTさんと連絡を取り、受付前でSさん と一緒に1年ぶりの再会。
 Tさんとスタート地点に並びます。今日のフル・マラソンの参加者 は1900人とのこと。

 今日の目標は、
 1.昨年の淀川の記録4時間56分を6分短縮して、4時間50分 をめざす。
 2.あわよくば、今年の吉備路での自己記録4時間33分を更新 して4時間30分をめざす。
 2つの目標はあまりにもかけ離れていて、なんの科学的根拠も ありません。Sさんに見送られて予定通り9時のスタートです。

その2

 走り始めて、まずしまったと思ったのは、手袋を忘れたこと。
 この寒さだから手袋は絶対必需品だと2つも持参してきたのです が、スタート前のトイレに行った折りに脱いだ手袋をウインドウブレ ーカーの上着のポケットに入れ、そのままおいてきてしまったので す。
 雲は厚く日射しを遮り、今日は行きが冷たく激しい向かい風で す。親指を中や外にして握りしめては、手が冷えるのをごまかしま す。

 普段の大会が小豆島や、岡山山中のアップダウンばかりの私に とっては、この淀川のコースは平坦なのが嬉しいのですが、河川 敷をひたすら走りますから風景の変化には乏しいのが難点です。

 今日のラップとしては、最低10kmを1時間5分で刻んで、40k mを4時間20分で通過できればもう言うことはありません。ただ、 後半の落ち込みは必死ですから、この目標からどれだけ落ちずに 行けるかです(一応、私も計算をするのです)。

 さあ、入りの5kmが27分、10kmが58分と、向かい風の割に は好調すぎるラップです。このタイムだったら、宿敵のあのS君は きっとまだ後方に違いない。
 帰りは追い風になってくれるんだろうなあ、これで風向きが変わ って、帰りも向かい風になっていたら泣けるぜ。ちなみに昨年の淀 川は10kmが1時間10分、吉備路は驚異の55分でした。

その3

 18kmの辺りで毛馬コウモンという変な名前の橋を渡ります。
 20kmを1時間58分で通過、吉備路のタイムよりは5分の遅れ がありますが、昨年の淀川からすれば12分の貯金があります。 なかなか良いんじゃないの。

 20kmを過ぎた辺りで折り返してきたTさん発見、ハイタッチで励 まし合います。Tさんはかなり好調にとばしているなあ、自己記録 を更新できるじゃないかな。

 中間点を2時間5分で通過、自分では充分に満足な経過です。 いよいよ後半だあ。
 ところで、後で確認するとTさんの中間点通過とは約10分の差 でした。これでゴールタイムの差があれだけ開いてしまうとは、い かに私が後半に弱いかが判ります。それとも身の程知らずに前半 をとばしすぎるのか・・・。

 折り返しを過ぎて23kmの辺りでやって来たS君を発見、声を掛 けるが気がつかずに行ってしまう。さあ、追いつかれないようにし ないと・・・。しかし、これだけリードしていれば、今年は勝てるんじ ゃないかな、次の会議であったら自慢しなくては・・・。

その4

 25kmを過ぎて、案の定やってきました、足が上がらなくなって きたのです。吉備路でもやはり25km辺りからが苦しみの始まり でした。
 未だ17kmも残っている、とにかく30kmまでは何とかしなくて は残りが戦えない、残り12kmになれば何とかなるだろう、ここで 歩いてはいかんと、あと5kmを走るつもりで頑張ります。
 ポーチに入れてあったエネルギー・ゼリーを食べます。少しは違 うんだろうか?

 そうは言っても、エイドでは立ち止まって給水をするようになりま した。
 オレンジをむさぼり食べます。30km通過が3時間5分。吉備路 より2分遅れ、昨年の淀川からは10分早いタイムです。

 残り10kmの表示を発見、時間は3時間18分。
 足が痛いのを紛らわすために、いろいろと考えごとをして気をそ らせます。・・・さあ、ここから1km7分で押して残りを70分で走り きれば4時間28分、自己記録更新だが、しかし、この足の痛さで はまず無理だな、おまけを2分付けて4時間30分、いや、4時間3 1分でも良しとしよう・・・と、夢のようなことを考えます。
 この足の痛さでそんなに早く走りきれるはずはありません。全く 捕らぬ狸の皮算用もいいところです。

その5

 この辺りから中年の女性と前になり、後になりします。
 その方も足にだいぶ来ているらしく、しばらく走っては歩き始める のです。私は足を引きずりながらも走り続けているので、その方が 歩き始めると抜くのですが、気を取り直したように走り始めるとま た抜かされます。数キロに渡ってそれを繰り返しました。

 時々立ち止まってはストレッチをして、あと5kmを過ぎ、あと4km を過ぎ・・・。淀川は沿道の応援が全くといっていいほどありません から(なにせ河原ですから)、こうなってくると元気が出ません。エ イドのボランティアの方が励ましてくれるだけです。もうちょっと見 物の人がいてくれたら、見栄も張るんだけどなあ、とぼとぼ・・・。

 残り1kmの地点で4時間27分。この9kmは1時間9分かかっ ています。自己記録の更新は絶望的となりました。
 きっと先にゴールしたTさんやSさんが待っているはずだから、最 後の500メートルは少なくとも颯爽と走らなくては、と気力を振り 絞ってゴール!
 あれ、誰も見ていてくれなかっぞ。タイムは4時間35分でした。 結局、昨年の淀川を19分更新しましたが、自己記録には1分30 秒及びませんでした。

その6

 足を引きずって荷物置き場に戻っても誰もいません。あれ、みん な何処に行ってるんだろう? 完走証をもらいに行ったりしている と、Sさんが、あれ、もう戻っていたん? Tさんがカメラをかまえて ゴール前に行っているよ。う〜む、みんな、私のゴール予想を5時 間前後と思っていたなあ・・・(笑)。

 それから近くに銭湯があるときいて、10人ほどの仲間で連れ立 って入りに行きました。近くの「王将」の2階で遅い打ち上げ兼昼 食をとりました。
 Tさんは5時過ぎに伊丹に向かいました。私は淀川までSさんた ちと一緒に出て、新大阪で分かれました。
 Sさん、帰りにもらった沖縄土産のビールを新幹線の中で美味し くいただきましたよ。岡山止まりの「ひかり」だったので寝過ごさず にすみましたよ。



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