今の走力は・・・ 台北マラソン2016


台北マラソンを走ってきた。
台北は羽田から4時間で行くことができて、時差も1時間しかない。
なので身体は大変に楽。気温も15度から20度ぐらいと快適だっ た。
大会の前夜には噂に聞く士林夜市にでかけ、大変な人混みのな かでビールを飲み、小籠包を食べてきた。

さて、この大会はフル・マラソンとハーフマラソンの2種目。
昨年まではこれに加えてファン・ランもあったらしいのだが、あまり の大人数になったために(ファン・ランだけで3万人!)止めたらし い。
で、フルが8000人、ハーフが15000人の参加とのことだった。

   ***

5時に起床。お握りとお茶の朝食をホテルの部屋で済ませる。
ホテルからは数分のところにある市庁舎前のスタートなのだが、 整列はアバウト。
7時のスタート時間までに自分の好きなところへ入り込めばOK。
私がこれまで参加した海外のマラソン大会はどれもそんな感じだ った。
国内の大会が、スタート前の早い時間からブロック別整列にかな り神経質なこととはだいぶ様子は違う。お国柄だなあ。

ハーフの制限時間は3時間。
途中関門もあったようだが、まあ、それに引っかかることはないだ ろうと、チェックしなかった。
チップはシューズに取りつけるタイプ。
昨年まではゴール後に返却すると100元(約400円)が戻ってきた とか。今年は返却不要になっていた。
気温は12度で、半袖のTシャツでちょうどよい感じだった。

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コースは台北市を大きく四角形に回るもので、橋を渡ったりする箇 所以外はまったくフラットだった。
市庁舎のある一角をまず一回りしてから、仁愛路という広い通り を西へ。
この通りは道の両側にガジュマルの木が並んでいて、日陰になっ ている。
日曜日の朝は人影も少なく、応援は・・・ほとんどなし。

キロ表示がどんな具合なのかが判らないなあと思っていたら、 3km表示を発見。
タイムはなんと20分。これはずいぶんと遅いペースだなあ。
もうちょっとは頑張らないと・・・。
結局、キロ表示は1kmごとの親切なものだった。

この大会には仮装ランナーはほとんどいなかった。
別に禁止されているわけではないとのことだった。お国柄なのだろ うか。
参加賞はタンクトップのシャツなのだが、現地の人はこのシャツを 着て走っている人がかなりいた。

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ここではじめての給水。もうかなり汗をかいている。
紙コップによる水とスポーツドリンクの給水で、テーブルの並べ方 なども国内大会と同じ感じだった。
5kmの通過タイムは32分。あのままキロ6分からは上げられずに いる。

驚いたことに、平気でコースを横切っていく人がいる。
それもランナーがとぎれた時を見計らうのではなく、次々に走って くるランナーの間を縫って横切っていくのである。
たしかに台湾の目抜き通りを走っているのだから、交通規制は用 事のある人には迷惑な話ではあるだろう。
しかし、これも日本の大会では見ない光景だよなあ。

総じて応援は少ない。
派手なメイクに派手な衣装で応援をしてくれるグループがいくつか あったのだが、みんなおばさんだった。
どこの國でもおばさんが元気?

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6km過ぎで行く手に有名な台湾総督府が見える。
その手前で直角に折れて今度は中山北路を北へ向かう。
このあたりには歴史的な建物が点在している。
映画で有名になった「????」もあり、マラソンの翌日に行って みた。雰囲気のある瀟洒な建物だった。

ゼッケンに「醫護抱助」と書いたランナーが2人並んで走っていた。
これはメディカル・ランナーだなと、漢字から想像する。
先日の岡山マラソンでは自分もドクター・ランナーとして走ったの で、なんとなく近親感が沸く。
しかし、コースのどこにもAEDの表示はどこにも見当たらなかっ た。
もし心肺蘇生が必要になるような人がでた時にはどうするのだろう か?

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10km通過が1時間3分。
単純にこのままでいくと、20kmが2時間6分、ハーフでは2時間12 分ぐらいになってしまう。
いくらタイムを気にしないとは言っても、このフラットなコースで、こ の気温ではちょっと不甲斐ないのではないかい。

10km過ぎの正面に真っ赤な大きな建物が見えてくる。
10数階建ての宮殿のような立派な建物だが、あとで調べてみると 圓山大飯店というホテルだったらしい。

高速道路を横切るちょっとしたアップダウンが過ぎたあたりから、 コースは右に折れて今度は西へ向かう。
とにかくこれ以上はスピードが落ちないように心持ち頑張って走 る。
中間点を過ぎたあたりから、このあたりのタイムの人はスピード・ ダウンして人が多い。
で、かなりの人を抜きながら走っていく。

右手に長い塀のようなものが続くのでなにかと思っていたのだ が、どうやら基隆河という大きな河が流れていたようだ。
フルのコースは、ハーフのコースに迂回路をつけ加えたり一部を 往復させたりして作っているので、何度となく一緒になってはまた 別れていく。
フルは30分前にスタートしているのだが、ゼッケン番号の色でどち らの参加者かは判るようになっている。

後半のエイドには給食もあった。
バナナの他には、クルミの入ったクッキーが美味しかった。
それに甘いクリームを挿んだウエハースも美味しかった。

   ***

15km通過が1時間32分。
なんとかはじめの3kmで2分ロスしたあとは、キロ6分で走れている か。
ここからはコースは基隆河に沿って南へ折れる。
フルの人はこのあたりで何度も折れ曲がって走っている。下の方 に見える河川敷を走っている姿もみえた。

17km地点で白バイの先導に続いてフルのトップの選手がやって きて、あっという間にいってしまった。黒人の選手だった。
しばらくしてから女子のフル・トップが来たが、こちらも黒人の選手 だった。早い。

   ***

18kmあたりまで来ると、遠くに、市庁舎近くに建っている101タワー が見えはじめた。
101タワーは台湾ではいちばん高い建物ということで、竹をイメー ジしたという独特の形は好い目印になった。
あと3kmか、だいぶ疲れてきたなあ。あとで聞いたところでは気温 は20度をかなり超えていたらしい。

20km通過が2時間5分。
ああ、ついにスピード・ダウンしてしまっているなあ。
なんとか2時間10分台でゴールしたいと最後を頑張る。
ゴール近くになると、応援の人も増えてきた。賑やかになってくる。
沿道にこのツワーの添乗員のお姉さんの姿を見つけて手を振っ て写真を撮ってもらう。

   ***

ゴール! 自分ではそれなりに頑張って走ったつもりだったが、タ イムは2時間10分台がやっとという不甲斐ないものだった。
いくら意気込んでみても、身体能力は正直である。
ま、今の自分の走力はこんなものなのだろう。

完走賞はメダルとタオルだった。フルを走ると完走賞にTシャツもも らえるとのこと。
人でごった返しているゴールエリアを抜けて、すぐ近くのホテルに 戻る。
まだ9時半にもなっていない。
ホテルの朝食バイキングは10時半までだったので、食べに行こう かとも考えたのだが、風呂に入ってビールを飲んでそのまま休憩 してしまった。

   ***

大会後は街歩きをぶらぶらとして、何枚かの水彩スケッチをしてき た。
地下鉄の駅名や町歩きの際の通り名も、意味がなんとなく想像で きる漢字表示なのが楽しい街だった。
夕暮れの九扮の狭い石段の人混みも並ぶ提灯に照らされて、ど ことなく日本の温泉街を思わせる雰囲気だった。

好い旅行だった。
両替をした台湾ドルが余ってしまったが、次の機会のためにその ままにしておいた。
次はフルを走って完走Tシャツをもらおうかな。



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