リベンジ!村岡ダブルフル・66kmコース 2014


今年6月の「しまなみ海道ウルトラ遠足」は70kmエイドからバスに 乗ってしまった。不甲斐なかったなあ。あれ以後はジョギングをし ていても意気消沈気味。 
春に申し込んでしまっていた「村岡ダブルフル」の66kmコースも、 こんな状態では気が重い。 

しかもこのコースは昨年はリタイアしている。蘇武岳を超え、次の 和佐父峠を超えたところの38.8km地点、射添会館エイドで気持ち が折れてのリタイアだった。 
あれから1年もたって、さらに加齢となった身ではやっぱり気が重 い。でも申し込んでしまっているし、宿もとってあるし、行ってくる か・・・。

ということでやって来た村岡ダブルフル大会。
唯一の頼みの綱は、前日の天気予報。このあたりは大会当日は 気温がそれほど上がらないようだ。こりゃ助かる。なにとぞ暑くなり ませんように・・・。
前夜にはハチキタ温泉に入り、但馬和牛のスタミナ定食を食べ て、さあ、早寝だ。

  *

4時半に起床。おにぎりとお茶の朝食をとって、いざ会場へ。
受付会場で車を止めて、あとは各コースのスタート地点まで大会 バスで送ってもらう。
そこでホノルル・マラソン仲間のHさんと会う。彼女も去年はこの 66kmコースをリタイアしている。お互いに今年こそは完走を!と言 い合う。
さあ、果たして上手くいくかどうか・・・。

この大会は100km、88km、66km、44kmと4つのコースがあり、スタ ート地点、スタート時間は異なるものの、ゴール地点、最終ゴール 時間はみんな同じになっている。
イメージとしては、長い距離を走っている人のところへ、途中から 短いコースの人が合流していき、最後には大会参加者全員が同 じゴールをめざす。
66kmコースの制限時間は11時間。はたして?

スタート前に100kmコースのランナーが通り過ぎるのを応援する。
その人たちは3時間前から走っている。この時間にこの地点を通 過するのは中でも早い人たち。みな、スピードが違う。
仮装ランナーも大勢いる。脚力がある人でないと、とても仮装して 100kmは走れない。中でも傑作だったのは女装・山本リンダ。パン タロン姿で片手にはマイクを持っている。
その女装が大受けをしているので、立ち止まって歌いながら踊る パフォーマンスもする。余裕である。10分近くのステージをしてか らまた走っていった。すごいなあ。

  *

さて8時にスタート。
思いの外涼しくて嬉しい。予報では今日の但馬地方の最高気温 は26度だった。これは去年に比べればずいぶんと走りやすい気 温。

はじめの10kmほどは山里のような道。100mぐらいの上りもある が、まだみんな元気でのんびりと走っている。
ここで調子に乗りすぎると後で痛い目に会うのはわかりきっている ので、できるだけ抑えてゆっくりと走る。
とにかく余力を残しておかなければならない。ペースが速すぎない か、それが心配。

さて、いよいよ標高1040mの蘇武岳にさしかかる。
上り始めるのが標高200mあまりの地点なので、7kmを走るあいだ に700mあまりの高さを上らなければならないわけだ。

勾配の緩いところでは走り、急勾配になれば潔く歩く(苦笑)。
Hさんとは抜きつ抜かれつで頂上をめざす。
この村岡に備えて、一応会社では毎日自分の部屋のある9階ま では階段で上り下りをしていた。1日3往復以上を自分に課してき たのだが、それが功を奏したのか、昨年よりも上り坂がいけてる気 がするぞ。

蘇武岳を上りはじめたのがスタート後1時間から。そこから1時間 40分かかって頂上へ着く。
さすがに1000m越えの頂上からの眺めは素晴らしい。風も心地よ い。よくぞここまで上ってきた。

   *

ここからは15kmつづく下り坂。その間に500mあまりを駆け下る。
下りは嬉しいと言いたいところなのだが、これが膝と大腿には少し ずつ堪えてくる。
身体を前傾してブレーキをかけずに降りたいのだが、それをやる と私程度のレベルの者にはこの下り勾配ではスピードが付きすぎ てしまい、足がもつれそうになるのだ。
次第に膝ががくがくとしてくる。

標高250mまで下がったところからは、次の和佐父峠に上る。
和佐父峠は標高650mぐらいなのだが、かなりの急勾配。蘇武岳 の上り下りで足を使ってきた後だけに辛い。
スタートしてから33km地点、ちょうど半分の距離に当たるところが 和佐父峠の頂上。
時間は5時間11分。

5時間半で昨年のリタイア・エイド、射添会館に着く。昨年のリタイ ア時よりは30分早く到着できた。
そうめんを食べ、おにぎりを食べ、フルーツを食べ、と今年は胃の 調子もいい。
休憩を終え、残り28kmに5時間15分ある。今年は足もまだ動くし、 何とかなるか。さあ、行くか!

   *

さらに坂をあがってこのコースの目玉でもある長楽寺へ。
ここでは広いお堂に安置された大きな釈迦三尊像の周りをめぐ る。こんなコースは日本中でここだけだろうなあ。
お堂の出口の私設エイドでは熱いお茶とおはぎ、漬け物がふるま われる。うれしい。
おはぎを一つ、たくあんを4切れ。甘さとしょっぱさが疲れた身体に おいしい。

長楽寺は折り返しになっていて、ちょうどやってきたHさん夫婦とす れ違う。ご主人は100kmコースに出ていて、66kmコースのHさんと は射添会館で落ち合って、残りの距離は一緒に走ることにしてい たそうだ。

まだまだ続く上り坂をのろのろと上り続けて、やっと3つめの峠の 頂上のエイドに着く。
ここが47km地点。時間は7時間半ぐらいが経過。この辺りの上り の5kmには1時間近くがかかるようになっていた。

さて次は7kmのあいだに350mを下らなければならない。膝はさら にがくがく(泣)。
細い峠道の連続で、ときに小さな集落を走り抜けたりする。家々 の軒先で応援してくれる村の人たちに感謝。励まされるなあ。

   *

下りきったところの57kmエイド到着が9時間ぐらい。下りはなんと か5km45分でおしている。やれやれ。
ここのエイドの名物はお好み焼き。ソースの甘辛さが疲れた身体 には何よりのご馳走に思える。

いよいよ最後の一二峠越え。ここは4kmで250mを上るというかな りの勾配。疲れた足に堪える。一歩ごとに太股が痛い。う〜ん、辛 いなあ。
残り4.5kmの地点でやっと頂上。
ここには最後のエイドもあり、時間はちょうど10時間。時間内ゴー ルも確実となってきて、やれやれ。
ここからはもうゴールまで下りしかないはず。やれやれ。

   *

もう太股は一歩ごとに針を刺すように痛い。その足を引きずって、 暗くなり始めた残り1kmあたりで、村岡の集落に戻ってきた。
スタートして10時間半の6時30分過ぎにゴールする。制限時間ま では約30分が残っていた。よくやった・・・。

ゴールした途端に身体中ががたがたしはじめた。あちらこちらの 筋肉が不随意に収縮する感じ。
これは以前にしまなみ海道100kmを走り終えた後にも出た症状。 身体にとってはずいぶん過酷なことを強いているのだろうなあとつ くづく思う。
あずけておいた荷物を受け取り、冷や汗でびっしょりになった身体 を拭き、シャツを着替えてやっと身体に体温が戻ってきて人心地 が付いた。

ゴール地点に戻ってみると、もう制限時間3分前になっていて、カ ウント・ダウンがはじまっていた。Hさん夫妻はその制限時間3分前 のゴールだった。そして花火があがった。

   *

ホテルへの帰り道の途中で天女の湯へ寄る。
走り終えたランナーでいっぱいだったが、なんとなくみんな安堵し ているように見える。
長距離走の後は水分と塩分が必要。ということで、道産子ラーメン の店へ。

昨年のリベンジも果たせて、終わってみれば大満足だった。
これで私のウルトラ・マラソンの有終の美が飾れたかな・・・。



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