靴もリレーした京都マラソン2015


今年は京都マラソンの抽選に当たっていました。 
ところが、京都に住む息子のお嫁さんがこっそりと申し込んでいた ペア・マラソンにも当選してしまいました。 
もちろん、息子との思い出を作ろうと、フル・マラソンはキャンセル してペア・マラソンに出場することにしました。 

このペア・マラソンは、第1走者が前半の27.6kmをはしり、たすきを 受けとった第2走者が残りの14.6kmを走ります。
息子はこの日に備えてジョギングを始めていました。 
聞いてみると、週に3回ほどは10kmを走っていたとのこと。 
だいたいはキロ6分ぐらいでは走れている様子。それだけ走れれ ば大丈夫だろう。 

息子夫婦、応援に同行した妻と、わいわいと楽しい夕食を済ませ て、さて明日の準備を・・・ 準備を・・・! えっ、靴がないっ! 
なんと、一番肝心の靴を忘れてきていました! 

どうしよう? こんな時間ではスポーツ・グッズ店も閉まっていま す。ありゃあ。 
相談の結果、息子が1足だけ持っている靴を二人で使うことにしま した。 
つまり、たすきだけではなく、中継点で靴もリレーします(笑)。 
幸いなことに靴の大きさは私にも大丈夫でした。 

  *

さて当日、スタート地点の西京極運動公園へ。 
フル・マラソンは16,000人が走ります。
その中でペア・マラソンは110組です。途中でつなぐ襷を受付でも らいます。

スタートはAからKまでの11ブロックに分かれています。
で、もらったゼッケンの区分はK。ありゃあ、最後尾だ。
息子のお嫁さんが、申し込みの時に遠慮して遅めの完走予想タイ ムを書いたのでしょう(苦笑)。
後方スタート組はメイン・グランドには入れず、その外のサブ・グラ ンドに並びます。

やがてマイクからセレモニーの様子が聞こえてきました。
9時のスタートの号砲が聞こえても、当然ながら動きはじめませ ん。 
しばらくしてからぞろぞろとサブ・グランドからメイン・グランドに入 り、やっとスータート・ラインをこえたときは10分以上が経っていま した。 

  *

大渋滞です。そして、私のようなのんびりランナーにとっても、周り はやはり遅すぎます。
抜きたくてもなかなか抜けません。必死で人混みを縫うようにして 走ります。 
3時間ぐらいでたすきを渡すからな、と息子には言ってあったので す・・・。 

心配していた気温は5度ぐらいでまずまずでした。が、途中で小雨 となり身体は冷えました。 
風がなかったことは幸いでした。これで北山おろしでも吹いていた ら、凍えてしまいます。

まず五条通から四条通に出て、4キロほど走って松尾橋に出ま す。そこからは桂川に沿って上がります。
いい景色なのですが、かえすがえすも曇り空が残念です。
やがて一大観光地の嵐山の渡月橋を左手に見て清滝に向かい ます。
このあたりには芸術大学があり、その屋上に何やら大きな応援オ ブジェが見えました。
沿道では学生さんたちが怪物のかぶり物をして応援してくれまし た。

そこからは広沢の池の横を抜けるのですが、この一条山越えと呼 ばれる上り坂はかなり辛いものでした。
10km地点を1時間6分ぐらいで通過します。うむ、予定通りだな。
坂を登り切ると、仁和寺、竜安寺、金閣寺前と、京都の西の観光 地を次々に走り抜けます。
仁和寺山門前の大きな石段には応援の人が上から下までびっし りでした。

  *

ところどころで、前方に横断歩道があります、という表示がありま す。
はて、どういうことだろう?と思っていましたが、やがてその意味が わかりました。
マラソン・コースのために長時間の交通規制がしかれています が、観光客の多い京都の街ですから、その配慮もしなければなり ません。
ランナーを止めずに歩行客に道を横断させるための、大変に賢い 方法がとられていました。

まず大通りの真ん中に島のような歩行者の待機場所を設置しま す。
そしてその前方で道路を二つに分けるロープを係員が持って道の 真ん中に並んでいます。
走ってくるランナーを誘導員がロープの左側に誘導します。
そうしてランナーが走ってこなくなった道路の右半分を歩行者が真 ん中まで渡ります。
一定時間がたつと、今度は走ってくるランナーを誘導員がロープ の右側に誘導します。
そうして真ん中の歩行者がランナーが来なくなった左半分を渡る わけです。
道幅が半分になりますから多少の渋滞が起こりますが、これは感 心したやり方でした。

  *

さて。
五山の送り火の左大文字、舟形近くを走り、御園橋からは今度は 加茂川に沿って上がります。
ここも気持ちのよいところです。
このあたりまで来ると京都で暮らした学生時代や仕事時代に馴染 みの地域になります(烏丸通りから西には疎いのです 汗)。
このあたりの18km地点のエイドには食料が置いてありました。

西加茂橋まであがってコースの最北点になりました。
ここからは上賀茂神社の横を通って、葵祭で有名な加茂街道を下 ります。
20km地点を2時間13分で過ぎて、北山通りを東へ、東へ。

高野川の手前で折り返してふたたび北山通りを今度は西へ走りま す。
このあたりは片側2車線の道路をランナーがすれ違うので、かなり の人混み状態です。
すると、反対側をどこかで見た女性ランナーが走ってきました。傍 に手持ちカメラを持った人が伴走しています。
すれ違ってから、ああ、そうだ、リサッチだと気づきました。
NHKの番組「ランスマ」(スマイル・ランニングの意味だそうです)の リポーターでした。
はたして後日、番組で京都マラソン特集を放送していました。

  *

下鴨中通りを少し往復してからやっと植物園に入ります。
この中の広場が27kmのペア・マラソン中継点なのです。
5kmを32分から33分のイーブンペースで走って、なんとか口約ど おりのの3時間1分で中継点にたどり着きました。 

妻、そして孫を抱いたお嫁さんが迎えてくれて、息子にたすきをつ なぎました。 
もちろんそこで靴も脱いで、息子がそれを履きます。 
リレー誘導の係員が呆れて推移を見守っていました(笑)。 

そのあと息子は、銀閣寺道、市役所前、京大病院横を走り、ゴー ルの平安神宮へ。 
残りの距離をキロ5分を割る速さで走り、思った以上によく頑張っ たなあと感心しました。

  *

アクシデントもあった京都マラソン・ペアの部でしたが、いい思い出 ができました。 

京都放送ではマラソンのスタート時とゴール時の実況中継をして いました。 
マンションに引き上げてから皆でその録画を観たのですが、おお、 息子が中継リポーターのすぐ背後を走りぬける姿がアップで映っ ていました。
よかった、よかった。 



トップへ
戻る
前へ
次へ