暑い暑いプーケット・マラソン 2013


6月の恒例行事としていた「しまなみ海道遠足」を今年は走ること ができなかったので、それなら、ということで海外へ。
10日前に発症した腰痛も軽快してきたので、行ってくるかと、タイ のプーケット・マラソンです。
妻からは、こんな暑いときにもっと暑い国へわざわざ汗をかきに 行く気が知れないと呆れ果てられました。

さて、プーケットには日本からの直通便はなく、バンコック乗り換え です。
バンコックまで5時間あまり、プーケットまではそこから1時間間あ まりです
日本との時差は2時間なので、体は楽です。
通貨はタイ・バーツ。円安になったあおりで今は1バーツが3円50 銭ぐらいでした。日本でもタイでも両替は可能で、USドルはまった く要りません。

今年で第8回となるこの大会は、フル・マラソン、ハーフ・マラソン、 それに10kmラン、ウォーキングとあり、全部での参加者は3000人 ぐらいだそうです。
思っていたよりもこじんまりとした大会です。
日本人は今年は400人ぐらいが来ているとのことでした。
泊まったホテルは大会会場からは歩いて5分ぐらいです。
これは当日の朝もゆっくりとできます。

前日にゼッケン引き替えや、無料のパスタ・パーティがありまし た。
参加賞はタンクトップで、タイ文字が記入されていて、(読めません が)いい感じです。
会場にはいくつかのブースは出ていました。記念にと500バーツで 帽子を買いました。

  *

さて大会当日。
フルのスタートは4時半。ホテルのビュッフェ形式の朝食は午前3 時からやっているとのことでした。
私は、暑くてバテルだろうからと、気弱にハーフにエントリーです。 こちらのスタートは6時で、制限時間は4時間。途中関門はありま せん。
いくらのんびり走っても、これは大丈夫でしょう(と、このときは甘く 考えていた)。

タイム計測は、靴につける計測チップ方式です。
15分前になると、ゲートが開いてがやがやと並び出します。ハーフ は1000人足らずでしょうか。それほどの混雑ではありません。
仮装ランナーはまったくといっていいほどいません。
そりゃあこの暑さで仮装なんて、とても考えられません。

この大会はラグーナ地区という、プーケット島の北の方で開かれ ます。
プーケットの一番の繁華街やガイドブックによく載っているビーチ からは車で1時間ほど離れています。ですから、このあたりは喧噪 を離れたリゾート・ビーチという感じです。
ハワイで言えばワイキキではなく、ノースショアで開かれる大会と 言ったところでしょうか。

ということで、昨日はタクシーで古い街並みが残っているプーケッ ト・タウンまで出かけてスケッチを何枚か描きました。
タクシー代は1時間乗って700バーツ、日本円で2000円ほどでし た。
若い運転手が、帰りはどうするのだ?と聞いてきます。時間を言っ てくれれば迎えに来るよ、とのこと。
で、夕方5時に迎えに来てもらうことにして、ツー・ウェイだからディ スカウントすると言って、帰りは600バーツでした。
総じて、とにかくタイの人はとても親切です。

スタートするころには明るくなってきていました。
風がほとんどありません。だから暑い。ホノルルは風が強い街だ ったな、と懐かしく思い出します。

3kmごとぐらいにエイドがあり、水を用意してくれています。
とにかく汗が半端ではありませんから、必ず給水をしました。

ところどころでは甘いジュースも用意してくれていました。メロン・ジ ュース、パイナップル・ジュースが美味しかったですね。
2カ所ではスイカやバナナも用意してくれていました。

贅沢を言うわけではありませんが、スポーツ・ドリンクが置いてあ りませんでした。もしこの大会でフルを走るのだったら、絶対に塩 を持って走ったほうが好いでしょう。

  *

4kmぐらい走ったところでこのあたりの幹線道路に出ます。
日曜日ですが、仕事場に向かうと思われる人たちのバイクがたく さん走っています。
それに中型トラックの荷台に人がたくさん乗っています。
おそらく仕事場に向かうトラックなのでしょう。
前日の夕方にも、仕事帰りと思われる人を荷台に載せたたくさん のトラックを見ました。

タイでは、交通量が多い交差点にも信号機がほとんどありませ ん。いわんや歩行者用信号なんて皆無です。
バンコクの街中では車の多さは半端ではありません。そんなとこ ろでも、皆、車の流れの隙間を縫って道を横断します。
日本の信号生活に慣れてしまっていると、これはかなり怖いことで した。
ただマラソン・コースは、さすがに幹線道路を横切るような設定は していませんでした。

至るところに屋台があります。麺のようなものを食べさせるようで す。なかには豚肉を吊して売っている屋台もありました。
タイは8割が仏教徒で、2割がイスラム教だそうです。で、ポークを 使った料理も普通にありました。

距離表示は1kmごとです。マイル表示でないのはうれしいところで した。
6km地点あたりからは田舎道に入ります。
このあたりで40分ぐらいでした。キロ6分半あまりの計算になりま す。
いつものハーフに比べればかなり遅いのですが、この暑さですか ら、これでもまだ頑張りすぎているかな、もう少しおとした方がいい かな、という感じでした。

曲がりくねった村の中を走ります。
子供たちが裸足で走り回っているような雰囲気の村です。
でも、住人は割とマラソンランナーには無関心です。だれもハイタ ッチはおろか、手を振ったりとか応援のかけ声もありません。
おそらくそういう習慣がないのでしょう。

  *

走路の分岐点には大きなアクリル板で進行方向の矢印が書いて あり、走路でない方には×印のアクリル板が置いてありました。こ れは親切です。

道にはあちらこちらに”バムプ”があります。
外国の街にはよくある、車がスピードを出しすぎないように盛り上 げているところのことです。
村の中の細い道にも結構バムプがあります。こういったところほど スピードを出すと危ないですから、これは合理的でした。
でも、走っているときにこれに躓くと転倒必死です。知らない道で の夜のジョギングは危ないなあ。

8kmぐらいのところで、ハーフ・マラソンは右折、フル・マラソンは直 進の分岐点がありました。
足の疲れはまったくありませんが、体の消耗具合はかなりのもの です。
噴き出る汗の量に比例して元気さもしみ出して無くなっていくよう です。
フルにしなくて良かったぞ!

ちなみにフルの制限時間は7時間です。
前日の会った北海道から来たという二人連れはフルに参加とのこ とでした。
(そのうちのお一人は、なんと私の本名と漢字まで同じ同姓同名 でした。当人ふたりはびっくり、ガイドさんもびっくり。)
おふたりともフルは初めてで、7時間あるから何とかなるだろうと申 し込んだとのこと。しかし、絶対に後悔しているだろうなあ。

10km通過が1時間5分。
消耗している割には頑張っています。この調子で何とか頑張れれ ば、ゴールは2時間10分から15分ぐらいかな、と予想を立てます。
しかし、この後に大変な事態になるとは思ってもいませんでした。

  *

村の中の道をぐるっとまわってきて、また幹線道路に戻ってきまし た。この道をしばらく戻り、そこからまた田舎道に折れていきます。

このあたりの建物は平屋が主で、時折り2階建ての建物がありま す。
マンションらしいものを建てている横を通りましたが、これも2階建 てでした。
日本と違って土地は余っているでしょうから、建築のコストパフォ ーマンスからは2階建てまでになるのでしょう。

このあたりで50代半ばの方に声をかけられました。
帽子に小さな三脚をつけたカメラを載せています。リモコンでシャ ッターが切れるようになっているとのこと。すごいなあ。
プーケット・マラソンは3回目ですとのこと。暑いから堪えますね。
しばらく会話をしながら併走をしましたが、どうぞ先に行ってくださ いとのことで先に行かせてもらいました。しかし・・・。

警備員のような人が至るところで交通整理をして見張ってくれてい ます。
しかもその服装は、長袖のきちんとした制服に制帽です。
暑いだろうなあと思ってしまいますが、それほど汗をかいている風 でもなく、暑そうでもありません。慣れてしまっているのでしょうか。 慣れていない私は暑い・・・。

エイドごとに氷水で手にしたハンドタオルを濡らしておき、走りなが ら首筋や額を冷やしました。もちろん頭から水もかぶっています。
水分補給も絶対です。
タイでは水道水は飲まないように、とガイドブックに記載されてい ます。この水はまさか水道水ではないだろうなあと気にはなります が、もうそんなことを言っている状態でもありません。とにかく水を 飲みます。
幸いなことに、帰国するまでお腹の調子は大丈夫でした。

15kmを1時間40分で通過。
がくんとスピードが落ちています。ついに5kmに35分がかかるよう になってきました。
おまけに、この早さでも辛くなってきたぞ。

  *

残り5kmぐらいになってからは、なんとエイドが1kmごとにありまし た。
もうバテバテなので、この頻回のエイドは嬉しかったですね。
その代わりに水を飲みながら歩いてしまう頻度も増えました(苦 笑)。

小川の横の道を走ります。
あれ?このあたりの道は舗装はしていなかったような気がするな あ。
もう記憶も曖昧です。
とにかくタイの田舎道を走る大会です。これでもう少し涼しけれ ば、コースは最高なんだけどなあ。

このあたりで細かい霧雨が降りました。
陽がかげって少し涼しくなったのはよかったのですが、ただでも高 い湿度がさらに高くなって、もうスチーム・サウナの中を走っている よう。
う〜ん、好いんだか、悪いんだか。

海岸の近くへ出てきました。右手の林の向こうには海が見えま す。
至るところで、矢印と***ビーチと書いた手作りの木札が立って います。

20kmを2時間20分で通過。
ついに、この5kmには40分もかかりました。ハーフ・マラソンなのに ウルトラ・マラソン並のスピードとなってしまいました(泣)。

このあたりからは高級リゾート・ホテルの中庭へ入ります。
広大な敷地に並ぶ建物(このあたりのホテルも2階建てとか3階建 てです。低い建物がゆっくりと建ち並んでいるのです)のあいだの 遊歩道のようなところを走ります。
すると、後ろから「追いつきました」の声。
帽子にカメラをつけたおじさんでした。
いやあ、もうへとへとです。どうぞ先に行ってくださいと道を譲る。 残念。

ゴールが近づき、公園の中へ戻ってきました。
残り500m。このあたりでラスト・スパートをする元気な若者もいる のですが、こちらはもうよろよろ状態のまま。
結局2時間28分でゴール。
ハーフ・マラソンの自己ワースト記録を更新してしまいました。
南国マラソン大会、恐るべし!

   *

預けてあった荷物を受け取り、もうホテルへ戻ろう、ということでそ のままホテルへ。
シャワーを浴びて、まだ朝の9時過ぎです。
それからホテルのビュッフェで朝食をとり、ビールを飲んだあとは お昼まで爆睡しました。

翌日の朝食時に、北海道から来た初フルの方々と会いました。
なんと6時間57分で完走して、制限時間内の最終完走者だったと のことでした。
辛かったでしょうね。

暑いけれども、南国リゾート地での大会ということで、他の大会と はまったく違うものでした。
タイムとか順位とかのことは忘れて、ゆっくりと楽しむ大会でした。
もう一度走りたい大会にランク・イン!



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