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韓国の慶州さくらマラソンへ行って来ました。
初めての韓国ですが、慶州は釜山からバスで1時間ばかりのとこ
ろということで、博多から釜山までフェリーで行くマラソン・ツワーに
しました。
ツワーは30人ほどでしたが、フルマラソンを走るのは2人、私と同
じハーフ・マラソンを走るのは5人、大半のあとの方々は5kmや
10kmのウォークの部の参加で、圧倒的に年輩の、それもご婦人
の多いツワーでした。
大会の2日前に釜山入りですが、前日までチャーターしたバスでの
釜山や慶州の観光旅行です。食事もビビンバや焼き肉といった韓
国料理が組み込まれています。
それもそのはず、今回利用したツワー会社は韓国観光旅行ツワ
ーが専門で、マラソン・ツワーを企画したのは初めてということでし
た。
道理で、前日も夕方遅くまでいろいろ歩き回るし、大会前夜の食
事が焼き肉のはずだ(笑)。
*
さて、大会当日です。
世界文化エキスポ会場向かいの広場が大会会場でした。露店が
建ち並び、お祭り騒ぎの雰囲気です。全種目の参加者の合計は
13,000人余りとのこと。
当然のことながら書かれている文字はハングル文字ばかり。わか
らん! マイクの放送もハングル語ばかり。わからん!
それでも荷物預けのテントには英語が併記されていて、なんとか
わかりました(預け専用の袋をどこでもらうのかがわからず、身振
り手振りで苦労しましたが・・・。ボランティアの女子高生の方、親
切にありがとう)。
スタート地点で並んでいると、マイクからはヒップホップのような軽
快なリズムの曲がながれ、DJがしきりにランナーを鼓舞していま
す。時折りランナー達も一斉に、おおっと応えますが、当然のこと
ながら何を言っているのかはまったく判りません。
そのうちに、全員が何列かの列状になり、一斉に前の人の肩をも
みだしました。私の肩も後ろの人がもんでくれています。
これはなんだ?と思いながらも、私も前の人の肩をリズムに合わ
せてもみました。
しばらくすると、DJの合図があったのでしょう、一斉に後ろ向きに
なり、今度は反対の人の肩を(要するにこれまでもんでくれていた
人の肩を)もみだしました。
韓国では恒例なのでしょうか?
しかし、この「お互い肩もみパフォーマンス」は面白いなあ。
参加者の一体感が増すし、気持ちも和むぜ。日本でも流行らない
かなあ。
*
さて、スタートです。
ハーフは2,500人ぐらいの参加ということでした。日本人のハーフ
参加者は、日本人用のパンフレットによると121人でした。
計測はシューズに付けたチップで、ネット・タイムを計ってくれるよ
うです。
スタートしてすぐに普門湖の周回道路に出て、湖の南側を下りま
す。
1万本の桜並木を走りましょう、というのが大会の惹き文句でした
が、本当に辺りは桜ばかりです。
ウォーキングの部にはかぶりものの人がいたようですが、ハーフ
では仮装ランナーは一人も見ませんでした。韓国ではあまりそう
いうのなは流行らないのかな。
この大会の参加賞に赤と白の速乾性のTシャツをくれたのです
が、大勢の参加者がそのTシャツを着ています。他のシャツも混じ
っていますが、そんなわけで後ろから前を走るランナーを見ると1/
3ぐらいの人は赤いシャツに見えます。
私は半袖にジョギング・パンツにしましたが、走りはじめるとすぐに
汗ばむほどの陽気でした。
普門湖湖畔の部分はかなりの下りなので、足も快調です。
エイドは5kmごとでした。2カ所ほどでスポンジも渡していました。
15kmエイドにはエネルギー・バーのようなものが置いてありまし
た。バナナも置いてあったということでしたが、私はハーフではな
にも食べないので、あまり注意してみていません。
*
5km地点が28分半。まあ。こんなものでしょう。
ここからは普門湖から流れ出る広い河に沿って走ります。湖の周
りも桜でしたが、河畔にもやはり桜並木が途切れることなくつづい
ています。
ところどころで、韓国の民族衣装を着たおばさん達が鉦と太鼓で
応援してくれます。肩から斜めに吊った小太鼓は10人ぐらいでしょ
うか。
並んだ小太鼓のおばさん達の前で鉦のおばさんが踊るように拍
子を取っています。
おそらく鉦の人がリーダーなのでしょう。
2カ所で大きな道と、1カ所で鉄道と交叉しますが、いずれも河に沿
った道はそのまま河川敷に降りて立体交差をしています。これは
交通渋滞が少なくて良い方法です。
あたりの平野はのどかで、河の反対側には商店街のようなところ
もありますが、高い建物はひとつもありません。
それもそのはず、慶州はかって新羅と呼ばれた国の首都があった
古い文化土地で、道から見える範囲の建物は平屋しか許可され
ていないとのことでした。
またあたりには当時の古い仏塔や寺院も散在しているとのことで
した。
距離表示は1km毎にありましたが、実はあまり意識していません
でした。
はじめから初韓国旅行ということでフルを止めてハーフを申し込ん
だぐらいだし、さらに、ツワー全体が観光ムードの団体でしたから、
頑張って走るぞというモチベーションは前日までにどこへやら、と
いう感じでした。
ま、楽しく2時間ぐらいで走ればいいや、という不真面目ランナーで
す。
*
ということで11kmあたりの折り返しは1時間2分。
残り10kmを58分で走ればちょうど2時間だな。
すると後半はひたすら上りになりました。途中で橋を渡って、今度
は河の北側を走ります。
ここも広い道でしたが、道の両側、それに中央分離帯にまで桜で
す。一直線に何キロもつづく道路に3列に桜が満開です。
しかも、河畔の桜の木の下にはレンギョウが植えられていて、これ
も満開。桜の花の下にずっと見える果てまで黄色い花がつづいて
いて壮観でした。
おおよそ15km地点からは普門湖の北岸をまわります。このあたり
から上りがきつくなってきました。
やれやれ、疲れてきたな。
しばらく前になり後ろになりと併走していた若い男性が話しかけて
きました。
ところがハングル語。残念ながら全く判りません。そーりー、あい・
きゃんと・あんだーすたんど、あい・あむ・じゃぱにーず。
その方はにこっと笑うと、手を振って追い抜いていってしまいまし
た。
やっぱり外見では見分けが付かないよなあ。
最後の急な上り坂を上ったら、あれ、もう20kmの表示が見えまし
た。時間は1時間50分あまりと、上りでペースダウンした割にはず
いぶんと早いんではないかい。こりゃ余裕で2時間切りが出来てし
まうぞ。
ところが、それからが長い! 走っても走ってもゴールになりませ
ん。
とっくに1kmは走ったと思うのに、行けども行けどもスタート/ゴー
ル地点にあったはずの大きなゲートがどこにも見えてきません。
*
それから2km以上は走ったんじゃないかというところで、やっとゴー
ル!
タイムは不甲斐ないことに2時間2分でした。
絶対にあの20kmの距離表示は間違っていたぞ、と責任転嫁をし
ますが、だからといって走れなかったのは自分なんだしなあ。
着替えをしてぶらぶらと会場を歩いてみます。
広場の端に小型の屋台トラックが留まっていて、きれいなお姉さ
んがサーバーからビールをついでいます。
数人の人が並んで次々にビールをもらっていますが、誰もお金を
払っていません。えっ、無料なの?
早速並んでもらいました。マラソン大会でビールが無料だったのは
初めての経験でした。
見ると、隣にはただの台を並べたテントがあって、そこではおじさ
んがビールをついでいます。
本当はきれいなお姉さんの方のビールのお代わりをもらいたかっ
たのですが、小心者ゆえ、今度はおじさんの方のビールをもらい
ました。
キムチの入ったピリ辛味のニューメンもふるまわれていて、これも
汗をかいた体にはなかなかに美味しかったです。
無料の接待としては、そのほかに味噌汁のような椀に入った汁
物、こんにゃくのようなものを煮込んだもの、などがありました。
*
ぽかぽかとした芝生のうえで添乗員さんが配ってくれたお弁当を
食べ、それからツワーは汗を流しましょうということで、韓国一だと
いう慶州市内の温泉にまわりました。
いやあ、本当に広い。
露天風呂、サウナ、薬草風呂などなど。のんびりと湯につかって
疲れをとりました。
(添乗員さんが、お風呂文化は韓国と日本で大きく違いますから
面食らわないで下さいね、と言っていましたが、入ってみて確かに
びっくりしました。さて、それは?)
季候もよく、なによりも咲き誇った桜がきれいで、すっかり観光ラン
でしたが、良い大会でした。
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