暑い暑い 作州加茂郷マラソン 2004

1. スタートまで:あれ、間に合わないぞ

 楽しみにしていた作州加茂郷フル・マラソンの日です。
 車で行くことも考えたのですが、フルを走り終わった後の高速道 路で居眠り運転をしてはいけないからと、妻からJRの使用を命じ られてしまいました。
 津山駅に着きました。ランナーの格好をした人約30人が同じ列 車から降り立ちました。
 大会の案内によれば、この列車の到着にあわせて駅前から送 迎バスが出ており、スタートの1時間前に会場に到着できるはずで した。
 ところが、駅前に待っていたのは15人しか乗れない小さなマイク ロバスでした。これでは半分しか乗れないぞ。
 駅から会場までは片道20分あまりかかります。運転手が携帶電 話で大あわてで連絡を取っているのが聞こえます。「いえ、このバ スのピストン輸送ではスタートに間に合いません」。あれあれ、どう なるんだ?

 結局30分ほど待たされ、やってきたバスで会場に向かいました が、到着したときはすでにスタートまでは20数分しかありませんで した。急いで受付をしてゼッケンをもらい、着替えをして、ゼッケン をつけて、トイレを済ませて、グランドに行ってみると、すでにみな スタート地点に並んでいました。
 そんなわけで、インターネットで連絡を取って集まりましょうといっ ていた方々とはお会いできませんでした。残念。なんとか列の最 後尾に並びました。
 今日の参加は1200人とのこと、今年から吉備路マラソンが中止 になり、岡山県内のフルマラソンはこの大会だけになったので参 加者が増えていると、周囲の人の話でした。

2.スタート:暑くなるぞ

 良い天気です。軽い向かい風が心地よく、足取りも軽くスタート。 しかし、こりゃ暑くなるぞ。
 今日のウェアは入手したばかりの「UMML」のロゴ入りのTシャツ です。でも、残念なことにUMMLの衣装の人には一人も出会えま せんでした。
 さて、今回のコースの特徴は、加茂川に沿った折り返しのため に、行きに350mをだらだらと上り続けることです。上り坂にめっぽ う弱い私としては、折り返しまでの上りをどうやって克服するかで す。
 今日の段取りとしては、その折り返しまでをなんとか5km35分ぐ らいのペースでいって、中間点通過を2時間30分ぐらいとして、後 半の失速を計算に入れて完走目標タイムは5時間15分、遅くても5 時間30分というアバウトなものです。
 上り坂がどの程度の辛さか、気になるところです。

 4kmまでは川に沿っていったん下ります。そこで対岸に橋を渡 り、そこから上り坂が始ります。5km通過が32分、ちょっとペースが 早すぎるかな。
 川の向こう岸から小さな女の子の声で「がんばってぇ」と聞こえま す。見ると、さっき通り過ぎてきた場所の子が声援してくれている のでした。嬉しくなって、こちらも頭の上で大きく両手を振りました が、わかったかな。

3.前半:上り坂だ

 道に沿った小さな集落を抜けて走ります。10kmあたりで子供た ちが並んで声援を送ってくれています。差し出された小さな手を10 人ほどタッチして走りました。こういうのって和みますね。
 子供たちにかぎらず、沿道では沢山の方が応援してくれていま す。特にお年寄りがいたるところで旗を振って声を掛けてくれま す。うん、良い大会だ。
 上り坂ですが、覚悟していたせいか、それほどきつく感じませ ん。この日のためにコンベックスの坂道を走ったのだし、ジムのト レッドミルでは6%の傾斜をつけて練習してきたのだから、と自分 に言い聞かせます。
 加茂川に沿った国道に出ました。2ヶ所ほどで国道を横切りま す。このあたりの幹線道路ですから車が長い列になって待ってい ます。急いでいる人もいるだろうに、申し訳ないな。道路整理の係 員の方、ありがとう。

 エイドは5kmごとに水が置いてあります。あと、バナナと黒砂糖 つきのかりんとうが置いてあります。かりんとうが甘くて美味しかっ たですね。毎回、3つ4つをいただきました。
 それにこの大会では頼んでおくと個人のスペシャルドリンクを各 エイドに運んでおいてくれるのです。小さなテーブルにゼッケン番 号を書いたボトルが並んでいます。おや、ということは、私より遅 い人でもスペシャルドリンクを頼んでいるんだ。次回は私も申し込 んでみようかな、なんだか格好よい気がするぞ。
 この大会は私設エイドもいくつもあります。家の前にテーブルを 出して、飴やオレンジを並べてくれていたりします。感謝感謝。

4.折り返して:暑いな

 18kmあたりで正午となりました。通りかかった加茂町役場のチャ イムがなっています。温度計があり、なんと25度を示しています。 これは暑いはずだ。
 ハーフの折り返し点に着きました。2時間22分と上り坂だったこと を考えれば大健闘です。さあ、ここからは下りだし、何とかなるだろ うと気を取り直します。頑張れば5時間カットが狙えるかも知れん ぞ。人数的には前から3分の2ぐらいの位置でしょうか、よしよし。
 実際に下り始めてみるとかなりの傾斜です。調子に乗ると膝に きそうな感じです。来るときはこんなに上っていたのか。
 折り返してすぐに、ドラえもんのぬいぐるみの女性とすれ違いま した。この暑さであの全身のかぶりものは並大抵ではないな、と感 心します。

 暑いものだから各エイドごとに水をがぶ飲みします。どのランナ ーも、汗が乾いて塩となった結晶がウェアにくっきりと白く浮いてい ます。これだけ飲んで、それでも脱水気味なのか、それとも水中毒 気味なのか、自分でもわからなくなってきました。
 25km近くの私設エイドでおにぎりとたくわんをいただきます。温 かいお茶もいただきます。おいしい。
 ここで少しゆっくりしていたせいか、ドラえもんに追いつかれてし まいました。周りの人との会話、「ドラえもんならタケコプターを出し てくださいよ」「私はどこでもドアを出したいくらいですよ」。居合わ せた人はみな大笑い。
 そのあと、ドラえもんはさっさと行ってしまい、二度と追いつくこと はありませんでした。やはりかぶりもので走ろうかという人は、か なりの実力の持ち主なんだな。

5.後半:疲れました

 30km近くで噂の私設エイドがありました。なんとお好み焼きを焼 いてくれています。それにフライドポテトまで揚っています。食べた かったのですが、とても胃が受け付けてくれそうにありませんでし た。ここでリタイアしてビールでも飲みながらポテトを食べたら美味 しいだろうな、と思いながら通り過ぎました。
 30km過ぎ、ついに力尽きてきました。足は痛くはないのですが、 太ももがだるくて上がらなくなってきました。暑さでかなり消耗して いるな、という感じです。
 立ち止まってヤンキー座りのストレッチをして、またよろよろと走 り始めるというパターンになってしまいました。このあたりでは5km に40分近くかかっていました。こりゃあいかん。

 この頃から何回か、収容バスが後ろから走ってきては追い抜い ていくようになりました。みるとバスには結構乗っている方がいま す。私より後ろの人たちが次々に収容されていったら、ついには 最後尾になってしまうぞ。まずいな。
 このあたりから60歳ぐらいの痩身の方と前後して走りました。そ の方はゆっくりなので追い越すのですが、こちらが立ち止まってス トレッチをしていると抜かれます。ゆっくりですが立ち止まりませ ん。すごいもんだと感心します。ああでなくてはいかん。
 ところが、35km過ぎに、ついにその方も歩き始めてしまいまし た。頑張ってくださいよぉと思いながら追い越しました。

6.ゴールまで:なんとか完走!

 やっと残り5kmまで来ました。時間は4時間20分。残り5kmを40分 か、今の疲れようからすると、5時間カットにはぎりぎりです。
 川風は気持ちよく、のんびりとした山あいの道を下っています。 本当はもっと気持ちに余裕を持って、走ることを楽しまなければい けなかったのですが、このあたりでは、もう必死でした。歩いては いかん、何のためにここまで来たんだ、走り続けろ、と、自分を鼓 舞します。
 残り1km地点で4時間54分、これは厳しいなあ、と思いつつ最後 の力で運動場への坂を駆け上がりました。会場では、グランドに 戻ってきた選手のゼッケン番号と名前をマイクで読み上げてくれ ています。
 ゴォール!、5時間1分でした。スタート時に2分ぐらいのロスがあ りましたから、正味でなんとか5時間ぎりぎりというところでしょう。 この難コースで、この暑さで5時間でしたから、自分ではよくやった というところでした。

 着替えをして、無料の昼食券で天婦羅うどんをいただきました。 係りのおじさんが、「前夜祭も楽しいから来年はぜひ前の晩から 来なさい」と言ってくれました。本当に地域の人が一丸になって支 えているなあ、という印象の大会でした。
 芝生に座り込み、風に吹かれながらゆっくりとうどんを食べまし た。
 帰りのJRでは疲れがどっと出て、予想にたがわず爆睡。妻の言 うとおりにして大正解でした。



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