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最後のあだ花 くすのき・カントリー・マラソン 2018
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昨年12月のホノルル・マラソンは、70歳になったら初フルを走った
ホノルルでなんとか完走したいとの以前からの目標で走りました。
それでフルは卒業するはずだったのに・・・、まだフルに出ている?
とはいえ、いつまで走れるかわからない年齢なので、今まで走っ
たことのない大会に出ておこうと、先月の吉備路マラソンはハーフ
にしておいて、この「くすのきマラソン」へやってきました。
さて、どんな大会?
パンフレットによれば、コースには80mをはじめとして60m、50mな
どの峠越えが4カ所ある。なかなかに難コースの感じ。
制限時間は6時間で、関門は3カ所。まあ、これは問題ないでしょう
(と思いたい)。
風は穏やかで、気温も10度ぐらいと、半袖シャツと手袋でちょうど
いいぐらいでした。
で、選んだTシャツは宮古島100kmウルトラのもの。青いこのシャ
ツの背中には大きくそのロゴが入っています。
これを見た人は、おお、100kmも走る人なのか、すごいな、とか、こ
んなにゆっくり走っているけれどそれは余裕なのだろうな、とか、こ
んなに遅いのはきっと今日は調子が悪いに違いない、とか思って
くれるだろうという皮算用です(笑)。
しかしあたりを見ると、サロマ100kmや奥出雲100kmのシャツを着
た人もちゃんといました(笑)。
先週の瀬戸内ツーデー・マーチで20kmコースを歩いていますが、
その疲れはとれています。よしよし。
今日のフルマラソン参加申込者は1000人ほど。実際の参加者は
800人あまりでしょうか。スタート時の混雑もそれほどありませんで
した。
さて今回の目標は、と。
昨年のおかまやマラソンは5時間半(ただしこれはドクター・ランナ
ー)、ホノルル・マラソンは5時間40分でした。
で、5時間を切ることはもうできそうにないので、5時間10分がとり
あえずの目標です。
でもそれも厳しいかな。ということで、最低でも5時間30分では帰っ
てきたいというのが目標です。
キロ7分で最後までいければ5時間です。
後半の落ち込みを考えて、いけるところまではそのあたりのペー
スで頑張ることにします。
このところ大会ではGPSウォッチで1kmごとのラップを計測してい
ます。1km走ると振動で知らせてくれます。
こうすると、今の1kmのことしか気にならなくなります。
スタートしてからどのくらい経ったかとか、あとのペース配分をどう
しようとか、余分なことを考えないようになります。単純明快です。
***
で、スタート。最初の1kmのラップを見ると6分30秒前後です。
これは少し速すぎるのではないかい? 後半の失速が心配だぞ。
ということで意識して少しゆっくりに。
最初の5kmはフラットで(帰りにわかったのですが、実はゆるやか
に下っていました)、あとで確認すると5km通過は33分ぐらいでし
た。
5km地点からはだらだらと続く上りの峠道にかかります。
しかもここは片道1車線の国道なのです。
交通規制はしていません、ランナーは左端3m以内を走ってくださ
い、との注意でしたが、狭い国道です。
車は中央から反対車線にはみ出さないとランナーをかわして走れ
ません。
のろのろ運転です。対向車も危ないのでのろのろ運転。
この峠道は車の大渋滞が起こっていました。申し訳ないことです。
10km地点でやっと峠の頂上に着きました。やれやれ。
それでもあとで確認するとこの上りの5kmも34分あまりでした。
頑張っているのではないかい。
エネルギーも使ったぜい、ということで、塩飴タブレットをがりがり
と食べます。
ついでに一口チョコレートも食べます。
パンフレットには給水は5kmごとと書いてあったのですが、給食に
ついてはなにも書いてありませんでした。
スタート前に大会本部近くの係員に、給食はありますか、と尋ねた
ところ、いえ、ありません、とのことでした。
それではと、持参していたバームのジェルや塩飴、コーティングし
た一口チョコ、小さなドーナツなど、パンツのポケットに詰め込みま
した。
これだけあればエネルギー切れはしないでしょう。
***
10km地点からはゆっくりとした下りになります。
しかし、どうも下りは苦手です。
速く走るのは怖いので、どうしてもブレーキをかける感じになって
しまいます。
すると膝の衝撃が大きくなってしまうのです。困ったなあ。
だいたいキロ6分40秒ぐらいで刻みます。
このペースが維持できればすごいんだけれどなあ。
17km地点のエイドはアクトビレッジ小野という湖そばの施設の広
場でした。
えっ! なんと一人一人にエネルギー・ゼリーを手渡してくれてい
ます。これは嬉しいなあ。
そのあとも、25km、35km地点はちゃんと給食エイドになっていまし
た。
バナナやあんパン、チョコレート、塩飴などが置いてありました。
なんだ、こんなに給食も充実していたんだ。
コースはとにかく里山と言うよりも、山道を走っていますから応援
は全くありません。
というか、近くには民家も見当たりません(苦笑)。
淡々と走ります。
***
中間地点の表示。どれどれと、このときは時計を確認すると、2時
間24分でした。
う〜む、前半としては申し分のないタイムだな。
問題は後半の落ち込みをいかに少なくするか、です。
おまけにまたゆるやかな上りが続きます。
このあたりから70歳後半かと思える方と相前後して走りました。
首の後ろに日差し予防の布を付け、長袖のうえにオレンジ色のタ
ンクトップを重ね着しているので目立ちます。
少し前にいたかと思うとエイドで抜き、また途中で抜かれたり・・・。
抜く時に気のせいか、ちらっとこちらを見るような気もします。
なにせ私の背中には100kmウルトラとプリントされていますから、
なにくそ、と思われているのかもしれません(苦笑)。
そんなこととは別に、後半はやはり次第にペースダウンしてきまし
た。
キロ7分ではなかなか走れなくなってきました。
あとで確認すると、20kmを過ぎてからの5kmにはそれぞれ37分ぐ
らいがかかっていました。やっぱりなあ。
私の計算では残り10km、つまり32km地点で最後の峠の頂上とな
り、あとは下りになるはずでした。
しかし32kmの表示を過ぎてもまだ上り坂です。あれぇ?
33km過ぎでやっと上りが終わりました。やれやれ。
***
で、34kmの表示。これで残り8kmになったなあと思います。
この距離は、初めてフルを走ったホノルル・マラソンでいうと、長い
高速道路の往復が終わってカハラ地区へ入るあたりになります。
ああ、やっとここまで来たか、と思う距離です。
ということで、私の中では一つのポイントになる距離です。
この1kmも7分ちょうどぐらいでした。
なかなかよく頑張っているのではないかい。
で、ふと経過時間にも目をやりました。
あれ?4時間ちょうどぐらいだぞ。ホント?
これ、めちゃくちゃ好いタイムではありませんか。
このあとも頑張れば、久しぶりに5時間切りが狙えるかもしれない
ぞ。
えーと、残り8kmに1時間、ということは・・・キロ7分半で行ければ好
いはずだぞ!
そこからはゆるやかな下りということもあってキロ6分40秒ぐらいで
走れています。
件のオレンジ・シャツのおじさんにも並びます。なんとなく併走しま
す。
このまま頑張れば5時間切りが狙えますね、と話しかけます。
おじさん曰く、そりゃできんじゃろ。最後の上り坂でいつもダウンし
てしまうんじゃ。
いやいや、頑張ればいけますよ。
ということで、そこから5kmぐらいを並んで走りました。
おじさんは呼吸も苦しそうでいっぱいいっぱいな様子でしたが、な
んとか私のペースにあわせています。
残り3kmで4時間35分です。
たしかにこのあたりからはゆるい上りになりました。
おじさんは少しずつ後ろへ下がっていきましたが、もうここまでくれ
ばキロ8分でも5時間が切れます。
おじさんもいけるでしょう。
さあ、こうなれば、なんとか4時間55分切りをしたいぞ。
今日は最後まで頑張っているなあ、と自画自賛しながら必死に走
って・・・。
おお、ゴールは4時間53分!
5時間どころか、本当に4時間55分切りをしてしまったぜい。嬉しい
なあ。
もうこれから先に5時間を切れることはないだろうから、最後のあ
だ花だろうな。でも嬉しいなあ。
一休みしていると、3分遅れぐらいで件のおじさんがゴールしてき
ました。
手をあげて合図をすると、いやぁ、疲れた〜、と。
でもお互いに5時間切りができて好かったですね、と言うと、あんた
のおかげで頑張れた、ありがとう、と言ってくれました。
***
会場近くの施設には天然温泉があり、割引券も付いていました。
少し温めの湯にゆっくりとつかりました。
風呂上がりにはもちろんテラスで生ビール。
傍らにいたスタッフらしいお兄さんが、美味しそうですね、と声をか
けてきます。
そりゃあ、美味しいさぁ!
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