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さあ、今年の12月はどこを走ろうかと考えて、そうだ、街がきれい
だという評判のシンガポールへ。
シンガポールは、それこそ40年近く前に仕事で行ったことがあるだ
け。
今は雨期で、温度は最低気温26度、最高気温35度と高いのです
が、それ以上に不快なのは高湿度。90%以上で、毎日スコールの
ような激しい雨が突然やってきます。
さて初めて参加したシンガポール・マラソン。
もっと小規模の大会かと思ったら、国を挙げての一大イベントでし
た。
フル、ハーフの参加者はそれぞれ1万人から2万人。10kmコース
の参加者を合わせると6万人が走るとのことでした。
今回は暑さでの消耗を考慮して、軟弱にハーフ・マラソンへの参
加(汗)。
制限時間も4時間とゆっくり目ですが、いくら暑くても1km7分では
走れるだろう。
ということで、目標は2時間30分と自分に甘い甘い設定です。
前日にエキスポ会場でゼッケン受け取りがありました。
計測チップは靴に結ぶタイプではなく、ゼッケンの裏に貼ってあり
ました(ホノルル・マラソンに参加した知人の話では、2年前からホ
ノルルもそうなっているとのことでした)。会場にはいろいろなブー
スが並んでいましたが、大会の記念グッズはそれほどありません
でした。
帽子やTシャツもあったのですが、大会ロゴが小さい!
あれでは目立ちません。日本に帰ってから着ていても、さりげない
自慢ができません(笑)。
*
さて当日。
ハーフのスタートは一大観光地のセントーサ島の手前です。
同じツワーの10人がバスでスタート地点に向かいました。途中で
は、1時間半前にスタートしていたフル・マラソンの人たちの姿も見
ました。
(フルのスタートは有名な繁華街のオーチャード通りで、同じツワ
ーからは14人が参加とのことでした。)
6時半にスタート。あたりは夜が明けて明るくなってきています。
セントーサ島は全体がリゾート地になっていて、普段は入島料が
いるのですが、今日は当然そのまま橋を走って渡り島に入りま
す。
島の中には動物園があるらしく、道の両側の木立からはいろいろ
な鳴き声が聞こえます。
島なので、この辺りはかなりのアップダウンがあります。
朝早い島の中では沿道の応援はまったくありません。これは寂し
い。
一般に東南アジアでのマラソン大会では現地の人の応援というも
のはほとんどと言っていいほどありません。
道ばたの人たちは、この走っている人たちは何してるの?といった
視線を向けてきます。
マラソン大会というものがあまり認知されていないのでしょう。
カジノの施設の前を通りかかった時だけ、ボーイさんのような人た
ちが応援をしてくれました。
*
表示は親切な1km毎です。
最初の1kmは混雑もあって7分半。これはいかんだろと次の1kmを
6分半。あとはきっちりと7分ペースです。
4kmあたりで最初のエイド。およそ3〜4km間隔でエイドは設置され
ています。
ところが水しかありません。えっ、スポーツ・ドリンクはないの?
しまった。塩を持って走るのだった・・・。この暑さ、この発汗では塩
分不足になるぞ。
5km過ぎて、ユニバーサル・スタジオの園内に入ります。
マダガスカルやハリウッド、未来都市、古代エジプトなどのセットが
あり、そこをめぐって走ります。
ピノキオが応援してくれたり、クレオパトラやマリリン・モンローも応
援してくれます。
モンローは人気で、並んで写真を撮っているランナーもいました。
モンローもちゃんとセクシー・ポーズを取ってくれます。
ここは各施設の従業員が応援してくれて、雰囲気も華やかで楽し
い一郭でした。
9kmほど走ってセントーサ島を出る橋を渡ります。海を渡る風が心
地よい、と言いたいところですが、シンガポールはとにかく風が吹
きません。
海を渡る橋の上なのに無風状態。暑いよお。
*
10kmエイド。時間は1時間8分ぐらいと、まずは計算通りです。
ここには水の他にスポーツ・ドリンクも置いてあって、一安心。
ここから先のエイドにはスポーツ・ドリンクがありました。
そしてここにはエネルギー・ジェルがおいてあるとのパンフレットの
案内でした。
実はシドニー・マラソンでもエネルギー・ジェルの置いてあるエイド
があったのですが、それは小さなゼリーのようなものでがっかりし
たことがありました。
で、期待はしていなかったのですが、ここに置いてあったのはいわ
ゆるカロリーメイトのチューブ入り版と言う奴でした。
ねっとりとして、いかにもカロリーがありそうという奴。
口の中がべっとりしたので水で流し込みました。
島を出てからはすぐにハイウェイに入ります。
およそ3km先まで行って引き返してきます。このあたりでは陽も出
てきました。
先ほども書いたように風はまったくありませんから、体感温度はい
やが上にも上昇しています。
ジョギング・パンツの裾から汗が滴り落ちています。
それにハイウェイは単調です。この単調さは、あのホノルルマラソ
ンの長いハイウェイと似ています。
エイドごとにスポーツ・ドリンクを飲み、頭から水をかけました。
*
この大会で仮装しているランナーはほとんどいません。
ダースベイダーもスパイダーマンもいませんでした。この暑さでは
着ぐるみなど自殺行為なのでしょう。
ハーフ・マラソンにいないぐらいですから、きっとフル・マラソンでも
仮装ランナーはいなかったことでしょう。
18kmあたりでハイウェイを降りると、もうマリーナ地区です。
向こうの方には有名なマリーナ・ベイ・サンズ(3つのビルの屋上に
船が載っているような形の超高層ホテルです)が見え始めていま
す。
街中に戻ってきて、周りの風景を楽しみながら走れます。
そういえば、この大会では仮設トイレは少なかったです。
ハイウェイのコース上で1箇所見かけた他は気がつきませんでし
た。
私はハーフ・マラソンの距離ではトイレに行くことはないので困りま
せんでしたが、フル・マラソンのコースではどうだったのでしょう?
いつの日にか、フルを走る時があるかもしれません。気になりま
す。
やがてシンガポール川にかけられたアンダーソン橋を渡ってシティ
地区へと戻ってきます。
このあたりからは10kmコースのほとんど歩いているような人たちと
合流するので、大変な混雑ぶりです。
聖アンドリュース教会の尖塔が見え、旧最高裁判所の角を曲がる
と、ゴールのシティ・ホール前でした。
全種目ともゴールは同じ場所なので、あたりは大混雑でした。
*
2時間25分で戻ってきました。
なんとも甘い目標でしたが、一応達成したということでよしとしまし
た。
コース別にゴール・レーンが分けられていて、すぐに完走メダル、
小ぶりのタオル、ペットボトル入りのミネラル・ウォーターをもらい
ました。
この大会の参加賞はタンクトップ・シャツだったのですが、フル・マ
ラソンでは完走Tシャツももらえたようです。いいなあ。
ホノルル・マラソンやシドニー・マラソンなどでは、ゴール地点に各
ツワー会社がテントを張って冷たい飲みものや果物のサービスを
してくれます。
しかし、この大会ではとてもそんな場所を確保する余裕はない状
態でした。
やれやれ疲れたぜいと、そこから2ブロックしか離れていないホテ
ルへぶらぶらと戻りました。
ツワー・コンダクターの部屋のドアには大会参加者の一覧表がは
ってあるとのことでした。
で、全員が無事なことを確認するために、完走してホテルへ戻って
きたら自分の名前をチェックしてくださいとのことでした。なるほど、
ね。
行ってみると、私が一番乗りでした。
*
体力は消耗しましたが、足はあまり使っていないので、ツワーの
残りの日は観光に精を出してきました。
シンガポールは、淡路島ぐらいの面積に多民族国家らしく、マレー
系、インド系、アラブ系、中国系などの街並みが混在しています。
いろいろな宗派の寺院、洋風の建物など、水彩スケッチをしたくな
る風景が多すぎて困るほどでした。
のんびりマラソンとスケッチと、好い旅行でした。
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